あなたの、サボリ場所。【沖田総悟】

サボリ。24 ページ25

Aside


目を開けると、沖田さんの怒っている顔がそこにあった。



「な、なんだ…！？お、沖田総悟？！」


沖「そうだ。そこの娘を放せ。」



沖田さんはそう言って、さらに間合いを詰めてくる。
その真っ赤な目をギラギラと光らせながら。
…殺意がこもっている。


そんなことは一般市民の私でもわかった。
全身からそれが出ているから。
助けられる身でもある私でもその目とたたずまいに身震いがする。



「て、てめぇ、この女がどうなったっていいのか？！」



攘夷浪士の人もその殺意を感じ取ったのだろうか。
私は無理やり立たされて刀を首に当てられた。
沖田さんはそれにも動じず、深くニヤリ、と笑った。



沖「てめぇの答えはそれでいいんだな」



そう言った後、沖田さんが動いた。
マジックみたいに、目の前から姿を消した…はずだった。




「グハ…ァ…」



私の首から、刀が離れた。とおもったら、後ろで何かがドサッ、と倒れる音がした。
解放された私が振り返ると、そこには血が滴っている刀を持っている沖田さんと、さきほど私を拉致していた攘夷浪士が転がっていた。



沖「後ろがガラ空きだぜィ」



さっき浮かべた笑みをした。





…かっこいい。
必然的にそう思ってしまった。
だって、そうじゃないか。
こんなタイミングで、少女漫画みたいな展開で、ドキドキしないはずがない。



『…かっこ、いいです』



声に出てしまうほどに。

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