あなたの、サボリ場所。【沖田総悟】 (ページ17)

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サボリ。16 ページ17

Aside

『お、沖田さん！いらっしぃませ！』

ああ、良かった…
この空気を壊してくれた沖田さんに、心の中で感謝する。

沖「旦那、また来てたんですかィ」

なぜか少し不機嫌そうな沖田さんは銀さんに聞く。

坂「ああ。まあな」

そしてなぜか急にニヤニヤし出した銀さんは沖田さんの質問に答える。

『と、取り敢えず座ります？何かご注文ありますか？』

坂「あ、俺あんこ二つ」

沖「きなこ四つ」

はーい、と言って私は厨房へ向かう。
あ、そういえば沖田さんに恋人のフリをしてること言ってないけど、大丈夫だよね。
…たぶん。

『お待たせしましたー。あんこ二つときなこ四つです。』

坂「なあ、A」

『あっ、は、はい！』

え、と眉の間にしわを寄せて沖田さんは私の方を見てくる。
そりゃあそうだろうな。
だって急に下の名前で呼んでくるんだもん。
疑問に思わない方がおかしいよね。

坂「あのさ、こっち来いよ」

『は、はい！』

距離を保っていた私は、銀さんに近づく。
すると、

『うわっ‼』

急に手を引いてきたので、私はバランスを崩して坂田さんの胸に飛び込む。
そう言って髪を撫でてくる。

坂「やっぱお前、いい匂いするな」

銀さんと密着する私は、顔が真っ赤になってるはず。
だって、抱き着きながら髪の匂いをかいでくるんだよ？

そこで私はあることに気付いた。
これは恋人のフリ、だってことを。
･･･そうだった。

急に何をしてくるんだ、と思ったけど、恋人のフリをしているんだった。

でも、私は気がつかなかった。
それを見ている沖田さんの顔がどうなっていることかなんて。