サボリ。11 ページ12
Aside
『うわああああ‼』
私は、刀を振り回す。
お父さん、お母さんは倒れていて、生きてるのか死んでるのかもわからない。
だけど。
もうこれ以上、傷ついて欲しくなかった。
そんな必死な思いで知らない男たちに向かって刀を刺す。
いつのまにか、私の周りには、死体と血の跡しか残っていなかった。
ぜいぜい、と呼吸を繰り返す。
「大丈夫か‼………おい、女の子がいるぞ‼君、大丈夫だよ、もう安心だからな」
そんな男の人の声を聞いたとたん、なぜか急に涙があふれてきた。
そして、お父さんとお母さんに駆け寄る。
『お母さん、お父さん!ねえ、起きてよ』
そう言って、揺さぶる。でも二人ともピクリともせず、ただ転がっているだけだった。
『ねえ、お願い、起きて!私を、独りにしないで!…お願い!』
次々とあふれ出てくる涙は、拭っても拭ってもまた流れてくる。
『ひっく…ひっく…』
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沖「い…おい、おい‼」
はっと我に返ると、沖田さんが少し心配そうな顔でこっちを見ている。
『ご、ごめんさい。少し考え事してまして…』
沖「なんか嫌な事でも思い出したかィ。顔が真っ青だぜ」
『い、いや、大丈夫です』
沖「悪ィな。俺が聞いたから…」
『ほんとに、大丈夫ですから!それに一人でも、こうしてお客さんが来てくれてるので毎日楽しいですよ?』
そう言って、ニッコリ微笑む。
…心配、かけちゃったかな。
沖田さんは、私の笑顔に「そうかィ」と言って手を動かした。
そして、ゆっくりと私の頭に手を乗せた。
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なまたまご(プロフ) - 元坂みどりさん» 教えてくれてありがとうございます! (2018年9月11日 17時) (レス) id: d8d10bb85c (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - 餅さん» 全て直させて頂きました!間違っててごめんなさい…! (2018年9月11日 17時) (レス) id: d8d10bb85c (このIDを非表示/違反報告)
餅 - 元坂みどりさん» saidでもなくsideですよ! (2018年9月11日 1時) (レス) id: 9ad2ddaa38 (このIDを非表示/違反報告)
元坂みどり(プロフ) - sadeじゃなくてsaid (2018年9月10日 18時) (レス) id: 9307f7e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - ありがとうございます!更新ちょっとでも増やせるように頑張ります! (2018年8月9日 9時) (レス) id: ca30a67409 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なまたまご | 作成日時:2018年4月5日 8時