其の陸 ページ9
NOside
太宰が仕事が探偵と告げ、Aは妙に納得するように頷き、中島は太宰の口ぶりにぽかんとする。
国木田は一つ舌打ちをし理解していない中島に向けて口を開く。
「探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。切った張ったの荒事が領分だ。
異能力者集団「武装探偵社」を知らんか?」
国木田が懐からチラリと見せた一挺の銃と「武装探偵社」の単語に中島は目を見開く。
一方、Aはうわぁと顔を歪めた。
『(え、太宰さん武装探偵社で働いてんの?全く前職の類と違うじゃん。何で悪から善に早変わりしてんの。)』
「武装探偵社」それは軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団。
昼の世界と夜の世界、その間を取り仕切る薄暮の武装集団。その社員は多くが異能の力を持つ「能力者」
この人達も能力者なのか。そう両指を交差させながら中島は考えていたが、三人は鴨居で首吊りや首吊り健康法などと摩訶不思議な話をしている。
中島はこの人達が能力者だとは到底思えなかった。僕は変な人に出会ってしまったと今更ながら痛感する。そして話を切り替える為におずおずと中島は云う。
「そ…それで、探偵のお二人の今日のお仕事は。」
「虎探し、だ。」
「……虎探し?」
太宰は虎の被害と最近、近くで目撃されたと話すと中島はガタンと椅子から転げ落ちる。その顔は蒼白だ。その慌てた様子に国木田は顔を顰める。
「ぼ、ぼぼ、僕はこれで失礼します。」
「待て」
「む、無理だ!奴_____奴に人が敵うわけない!」
「貴様、「人食い虎」を知っているのか?」
「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!」
必死にこの場から去ろうとする中島の手を掴み、足を引っ掛け素早く中島をうつ伏せの体制させ国木田はその上に跨る。
『お見事。』
「云っただろう。武装探偵社は荒事専門だと。茶漬け代は腕一本かもしくは凡て話すかだな。」
「……っ!」
「まあまあ国木田君、君がやると情報収集が尋問にかると社長にいつも云われてるじゃないか。」
「……ふん。」
「それで?」
太宰が笑顔で聞き直す。中島は眉を寄せながら話始める。中島の居た孤児院は虎に壊されたんだと云う。経営不振などは虎が畑や倉を荒らした事から始まり口減しに中島は追い出されたと。
334人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちこて(プロフ) - にのさん» 続編は下書き中だったのでパスワード認証にしていました。説明不足でスミマセン!全体公開にしたので読めると思います。お褒めの言葉有難うございます(^^) (2016年12月21日 10時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 初めまして!!いつも楽しく読ませていただいています。続編のパスワード認証なのですが、パスワードを教えていただけないでしょうか? 続きが気になります!! (2016年12月20日 23時) (レス) id: 46f96eed18 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます!私が書く中也さんはいつもこうなってしまう(笑)更新頑張ります(^^) (2016年12月17日 11時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 読みやすくてすごく面白かったです!中也さんがかなり苦労人( ´ ▽ ` )続き楽しみに更新待ってます(`・ω・´)応援してます! (2016年12月17日 8時) (レス) id: 25ccc3b433 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - もこさん» ありがとうございます!面白いと言われると嬉しいです。更新早く出来るよう頑張ります(^^) (2016年12月14日 21時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もちこて | 作成日時:2016年8月8日 13時