其の伍 ページ24
うずまきから探偵社の社員&Aは探偵社に移動し、待っていた依頼人に取り敢えず話を伺うことになった。
その依頼人は色の髪を頸にかかるくらいに伸ばした美人な女性でスーツを着こなす。
椅子に座る女性の正面にある椅子に谷崎が座り、その後ろに残りの多勢が興味深そうに女性を見ていた。
『(あれ?見覚えのある顔なんだけどなぁ今日がもしかして作戦実行の日だった?)』
「Aちゃん、君の知り合い?」
『何でですか?』
「顔にそう書いてある。」
笑みを浮かべながら告げた太宰にAは顔を顰めながら「そんなことない」と返事をした。
よく彼女も彼女で動揺を見せないなとAは感心する。彼女、ご察しの通りAの部下、樋口一葉。
Aは今日探偵社に居ることを樋口に伝えていない。樋口は内心驚いているだろう。敵対組織に当然の如く居るAはポートマフィアに違反行為だと云われてもしょうがない立場だ。
『(まあ、樋口ちゃんは告げ口とかしなそうだから大丈夫か。)』
「……あの、えーと調査のご依頼だとか。それで……」
「___美しい……睡蓮の花ごとき果敢なくそして可憐なお嬢さんだ。」
「へっ!?」
黙り込んだ樋口に谷崎が話そうとした時に割り込んだこの自 殺主義者。今までの変人代表みたいな性格を変え、紳士的対応をする太宰にAは顔を引き攣らせる。
『(やめて、こんな人が貴方の所属している元幹部でしたよなんて知ったら樋口ちゃん卒倒するから先輩やめて。
ついでに私の元上司でしたって云うの本当にやだからやめて。)』
そんなこと敵対組織の前で云えるわけないので心の中で蓋をしておく。
「どうか私と″心中″していただけないだろ___」
樋口が慌てた声を出すと太宰の頭をスパァァンと音を立たせながら叩く国木田。
谷崎が気にしないで告げ、別室へ連れて行った国木田が太宰を半殺しにすることで場を持ち直した。別室からは太宰の変な声が聞こえる。
「それで、依頼と云うのはですね。我が社のビルヂングの裏手に…最近善からぬ輩が屯している様なんです。」
樋口は先刻のことを無かったようにしてカップに注がれた紅茶を頂く。谷崎は樋口を「変人慣れしてンのかな」と内心で呟く。
樋口は探偵社に負けず劣らずの変人が上司で変な性癖を持つ首領が居る中でこの社会を生き抜いているのだから変人慣れは当然である。
勿論変な上司にAや橋部は含まれている。
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もちこて(プロフ) - にのさん» 続編は下書き中だったのでパスワード認証にしていました。説明不足でスミマセン!全体公開にしたので読めると思います。お褒めの言葉有難うございます(^^) (2016年12月21日 10時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 初めまして!!いつも楽しく読ませていただいています。続編のパスワード認証なのですが、パスワードを教えていただけないでしょうか? 続きが気になります!! (2016年12月20日 23時) (レス) id: 46f96eed18 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます!私が書く中也さんはいつもこうなってしまう(笑)更新頑張ります(^^) (2016年12月17日 11時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 読みやすくてすごく面白かったです!中也さんがかなり苦労人( ´ ▽ ` )続き楽しみに更新待ってます(`・ω・´)応援してます! (2016年12月17日 8時) (レス) id: 25ccc3b433 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - もこさん» ありがとうございます!面白いと言われると嬉しいです。更新早く出来るよう頑張ります(^^) (2016年12月14日 21時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちこて | 作成日時:2016年8月8日 13時