其の参 ページ22
Aside
谷崎兄妹の闇を見てから数分。敦君はお茶を手に取りながら興味本位で尋ねる。
「そういえば皆さん探偵社に入る前は何を?」
すると今までの雰囲気が嘘のように何故かその場が静まりかえる。その様子に敦君は頭上に疑問符を浮かべた。
「何してたと思う?」
「へ?」
敦君の様子を面白がるように太宰先輩は目を細めて詐欺師(笑)のような薄笑いを浮かべる
「なにね、定番なのだよ。新入りは先輩の前職を中てるのさ。」
先輩の言葉に敦君は持っていたお茶を置き、顎に手を当て考える仕草をする。
「じゃあ……谷崎さんと妹さんは…学生?」
「おっ中った、凄いね。」
敦君はナオミちゃんの制服と谷崎さんとナオミちゃんの齢の差で中てたらしい。
『へー意外と観察眼持ってるんだねぇ敦君って。』
「見たら大体の人は解ると思いますよ。」
照れるように笑う敦君に先輩は「じゃあ、」と国木田さんを指さす。
「じゃあ国木田君は?」
「止せ、俺の前職など如何でも___」
「うーんお役人さん?」
「惜しい。彼は元学校教諭だよ、数学の先生。」
確かにそんな感じするな……って云ったら投げられるな。と敦君も思ってるだろうな…
そして先輩は自分を指差した。
「太宰さんは……」
「想像もつかん」と敦君はじーっと先輩を見る。先輩はフフ…と不気味に笑っている。
そりゃあ誰でも彼は元ポートマフィアでしたなんて考えないだろう。
「無駄だ小僧。武装探偵社、七不思議の一つなのだ。こいつの前職は。」
『まず先に探偵社に七不思議なんてあるんですね。他のも聞いてみたいです。』
驚きを隠せないでいると谷崎さんが先輩の前職を中てた人に賞金が貰えると告げる。
「しかしこんな奴が真面な勤め人だった筈がない。」
はい、その通りです国木田さん。この人はポートマフィアの元幹部です。私の元先輩で上司でした。
国木田さんには拍手を送りたい。
「ちなみに懸賞金は如何ほど。」
「参加するかい?賞典は今___七十万だ。」
先輩が告げると勢いよく敦君は立ち上がる。
『敦君、目、目。金にくらみ過ぎて怖いよ。』
「中てたら貰える?本当に?」
「自 殺主義者に二言は無いよ。」
何だその主義者は。そんな主義者なんて消えて無くなってしまえ。
こうして先輩vs敦君の戦いは始まる。
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もちこて(プロフ) - にのさん» 続編は下書き中だったのでパスワード認証にしていました。説明不足でスミマセン!全体公開にしたので読めると思います。お褒めの言葉有難うございます(^^) (2016年12月21日 10時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 初めまして!!いつも楽しく読ませていただいています。続編のパスワード認証なのですが、パスワードを教えていただけないでしょうか? 続きが気になります!! (2016年12月20日 23時) (レス) id: 46f96eed18 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます!私が書く中也さんはいつもこうなってしまう(笑)更新頑張ります(^^) (2016年12月17日 11時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 読みやすくてすごく面白かったです!中也さんがかなり苦労人( ´ ▽ ` )続き楽しみに更新待ってます(`・ω・´)応援してます! (2016年12月17日 8時) (レス) id: 25ccc3b433 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - もこさん» ありがとうございます!面白いと言われると嬉しいです。更新早く出来るよう頑張ります(^^) (2016年12月14日 21時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちこて | 作成日時:2016年8月8日 13時