【虎を捕縛しろ】其の壱 ページ17
『はー…数年ぶりに会った先輩にはこき使われるわ、正しく探偵みたいな格好してる人に怪しまれるわで疲れた疲れた。』
ボフンとポートマフィアの拠点の中にある執務室の椅子に座るAは机にある紙の束に顔を顰める。
『なんじゃこりゃ。』
「貴方が勝手に抜け出したので私が勝手に溜まってる報告書をまとめました。」
『樋口ちゃんノック、ノックしようか。』
Aの背後から現れたのは樋口一葉。Aは椅子を回転させ樋口の方に向き直る。
『私一応、樋口ちゃんの先輩、上司だよ?ノックしないと駄目よ?』
「A先輩が仕事サボるから部下が貴方に対して対応が雑になったんでしょう。」
『それはね、何年も前から変わらんのよ。
私、初任務で失敗したから。』
ヒラヒラと手を振りながら話すAは特に落ち込んでる様子はないが樋口は何故か慌てて口を開く。
「せ、先輩はやれば出来る人ですよ!私は先輩のこと凄いと思います。」
『有難う?本当に樋口ちゃん可愛いなぁ。芥川君には勿体無いよ。私の処来る?』
「それは遠慮しときます。」
『即答。まあいいけどさ、私の机にこんな大量の報告書置かなくても良くない?彼もどうせサボりでしょ。』
欠伸をしながら告げるAに樋口はムッと眉を寄せる。
「そうですよ!先輩、橋部先輩の相棒って聞きましたよ。ちゃんと管理して下さい!!」
『私も彼もサボるんだから管理出来るわけないでしょ。然も相棒って首領が勝手に私と充君を任務一緒にしてるだけだし。』
橋部充、それはAの初任務でAを暴走させた張本人。そして捕まり太宰に尋問された筈の名前。
橋部は今ではポートマフィアに所属しAと相棒(仮)となっていた。その理由はまた今度。
「それと今日会議があるって芥川先輩に聞いましたよね。何故来なかったんですか。」
『私ね彼の話の九割は聞き流してるからさぁ。忘れてたんだよね内容教えて。』
満面の笑みで告げるAにストレスが溜まる一方の樋口は相手は上司だと復唱し、眉間をほぐしながら樋口はAの目の前にある紙を指差す。
「そこの一番上の紙が今回の任務の資料です。」
『資料までまとめてくれたの有難う。それで?』
「今回の任務は虎の捕縛し或る組織に70億で売ることです。」
『……虎ってもしかして人虎?』
「そうですけど。」
『その虎見たわ。』
「はああぁぁ!!?」
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もちこて(プロフ) - にのさん» 続編は下書き中だったのでパスワード認証にしていました。説明不足でスミマセン!全体公開にしたので読めると思います。お褒めの言葉有難うございます(^^) (2016年12月21日 10時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 初めまして!!いつも楽しく読ませていただいています。続編のパスワード認証なのですが、パスワードを教えていただけないでしょうか? 続きが気になります!! (2016年12月20日 23時) (レス) id: 46f96eed18 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます!私が書く中也さんはいつもこうなってしまう(笑)更新頑張ります(^^) (2016年12月17日 11時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 読みやすくてすごく面白かったです!中也さんがかなり苦労人( ´ ▽ ` )続き楽しみに更新待ってます(`・ω・´)応援してます! (2016年12月17日 8時) (レス) id: 25ccc3b433 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - もこさん» ありがとうございます!面白いと言われると嬉しいです。更新早く出来るよう頑張ります(^^) (2016年12月14日 21時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちこて | 作成日時:2016年8月8日 13時