【彼女は何者だ】 ページ16
「はああァア!!?」
太宰の発言に国木田の大きな声がその場に響き渡る。そりゃあ中島は災害指定猛獣なのだ。そんな立場の中島を武装探偵社が預かるなんて誰も思いはしないだろう。
江戸川以外は皆、目を丸くし太宰を見る。太宰は却説、と両手をパンと合わせて云う。
「さあ、敦君を社員寮に運ぼうか。」
「な…ッ太宰!小僧を探偵社の社員にするなどお前の無断で決めては_____」
「解ってるよ。後で社長に相談しに行くさ。そんなことより国木田君、敦君を運ぶの手伝ってくれない?」
太宰の急な発言に呆気にとられていた国木田はハッと太宰の隣にいたAに話しかける。
「あぁ、其処の娘。太宰の悪ふざけに付き合わせて悪かったな。」
『あぁ、大丈夫です。まあ、報酬が出てもおかしくないくらいには、こき使われましたけど。』
「はいはい、金平糖はちゃんとあげるよ。」
『十袋ですからね。じゃあ私は此処でさようなら。』
手をひらひらさせながら去ろうとするA。江戸川は頸を傾けながら国木田に尋ねる。
「ねぇ、国木田。彼女、何者?」
「…それがよく解らなくてですね。太宰の前職の後輩、部下らしいです。」
「へぇ、太宰の部下か。あ、其処の君ー」
『あぁ、私ですか?』
江戸川の呼びかけで振り返るA。江戸川は不思議そうな顔をしながらAに聞く。
「君、何者…?」
江戸川は太宰の部下、だけではAは何者かと云う疑問は消えなかった。
『まあざっくりと云うなら一億年に一回ぐらいしかお目に出来ないくらいの美少女ですかね。』
「君、少女ってドヤ顔で云える歳だっけね。」
『黙って下さい、包帯ぐるぐる巻き。』
「確かに見えないね。」
『此処らへんの奴等は変人しかいないのか!!』
「君の周りも変人しか居ないでしょ。」
『そうだった!!』
太宰の言葉で悔しそうに嘆くA。江戸川はAを見つめ続けている。
『そんな見つめられたら照れちゃうんですけども。』
「もう帰っていいよ。」
『酷い。』
では、と告げて本当に去るA。その後ろ姿を江戸川は興味深そうに未だ見つめていた。
「未だ気になりますか?彼女のこと。」
「うん、太宰の元部下となれば尚更。」
太宰は江戸川の反応に苦笑を浮かべた。
「思ったよりも成長してたなぁAちゃん。
自分の道を歩けてるかな。」
太宰の呟きは誰にも聞こえず静かに消える。
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もちこて(プロフ) - にのさん» 続編は下書き中だったのでパスワード認証にしていました。説明不足でスミマセン!全体公開にしたので読めると思います。お褒めの言葉有難うございます(^^) (2016年12月21日 10時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
にの(プロフ) - 初めまして!!いつも楽しく読ませていただいています。続編のパスワード認証なのですが、パスワードを教えていただけないでしょうか? 続きが気になります!! (2016年12月20日 23時) (レス) id: 46f96eed18 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます!私が書く中也さんはいつもこうなってしまう(笑)更新頑張ります(^^) (2016年12月17日 11時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 読みやすくてすごく面白かったです!中也さんがかなり苦労人( ´ ▽ ` )続き楽しみに更新待ってます(`・ω・´)応援してます! (2016年12月17日 8時) (レス) id: 25ccc3b433 (このIDを非表示/違反報告)
もちこて(プロフ) - もこさん» ありがとうございます!面白いと言われると嬉しいです。更新早く出来るよう頑張ります(^^) (2016年12月14日 21時) (レス) id: e2caf94fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちこて | 作成日時:2016年8月8日 13時