俺の国に来た観光客【d！】 (ページ21)

今日:1 hit、昨日:29 hit、合計:520,411 hit

2 ページ21

追記？
えーっと、ページ18～19の内容はある漫画を少し変えて書きました
問題あったら消します……
これからも見てくれたら幸いです……！
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ショッピ side

満月の夜

グルッペンさん達に戻ってくるように指示されてから、早くも1ヶ月が経とうとしていた

しかし、中々Aに言いだせずにここまで来てしまった
今夜出発しなければ、1ヶ月までに日が間に合わない

shp「あーあ、自分で言い出した事なんにな(ﾎﾞｿｯ)」

……よし、Aに言おう、どういう結果になるか分からないけど

俺は早速部屋を出てAの部屋に来た。が、何故かAは部屋の何処にも居ない

ドル「何をされているのです？」

不意に後ろから気配なく声を掛けられ、思わずびくりと肩が跳ねた

shp「ｯ!!?
……ドルチェさん。……Aを探してるんです、話があって」

ドル「……A様なら、屋上ではないかと」

ここの真上ですよ、と上に指を指される。
俺が怪しい事をしていても、ドルチェさんは何も言わずに見逃してくれる
Aが俺に信頼を置いている事もあるからだろう

shp「ありがとうございます」

俺は早速階段を駆け上がって屋上の扉の前についた
屋上の扉は半分上がガラスになっていて、そこからAの後ろ姿が見えた

Aは、被り物をとっていた

そっと扉を開けて外に出ると、フルートの音色が聞こえてきた

─────タイスの瞑想曲─────

その余りに綺麗で透明な音色に、つぅっと涙が俺の頬を伝った

演奏が一段落すると、Aが銀色に輝くフルートを降ろした

shp「……あ、A……」

『こんばんは木吉君』

初めて会った時よりも声変わりで少し低くなった声
その声は、俺の少し興奮した気持ちを落ち着かせてくれた

shp「フルート…吹けたんすね……」

『うん、趣味で吹いてるよ』

でも本題はそれじゃ無いでしょ、とAは俺を見ずに言ってくる

shp「お、俺な……実はスパイやねん、木吉晴も本名やない」

『うん知ってた、初めて会った時から』

余りにも即答な言葉に思わずガクッと肩が落ちる

shp「えぇ…知ってたんすか…まだまだ俺も未熟やなぁ……」

『我々国の幹部のショッピ君って事もちゃんと把握済み。』

shp「じゃあ何で俺を殺さなかったんです？」

あの時の、スパイ達みたいに

『……俺が初めてショッピ君を見た時、俺の乾いてた心が、みずみずしく潤った気がしたんだ。』