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「ところでAちゃん」
「何です？太宰さん」
「もう少し君のことについて知りたいのだけど」
「えー、知ってどうするの？何か悪巧みを考えてる？」
「真逆、そんなわけないじゃあないか。ただ君に興味があるだけさ」
寝ている織田作を奥のソファへ移動させ、
2人でゆっくり話をしていた。
「まずはそうだね、君はいつも何をしているんだい？」
「普段は街の喫茶店で働らかせてもらってるの。首領に呼ばれたときだけ、そっちの仕事をしてる。」
「そういえば、君も異能力者なのかい？情報員だと耳にしたのだけれど」
「…ええ、私のは戦闘向きではないからね」
「君の異能を聞いてもいいかい？」
「…対象に触れることで記憶や思想を塗り替えることができる」
「つまり、洗脳能力ってことだね？」
「そう、尤も、能力が発動できるのは触れている間だけなのだけれど」
聞くにAちゃんの異能は、洗脳能力。
能力名【マリオネット】
対象に触れることで、対象の記憶・思想を塗り替えることができる。
常時発動してるわけではなく、対象に触れている間のみ。
解除方法は無効化能力だけ。
マフィア内でもAちゃんの存在を知らない者が多数いるのだから、
あまり大きな組織でない限り十分な探りは入れられず、
情報の塗替や敵組織の作戦を崩すことができるってわけか。
「成程、面白い能力だね。そりゃあ、首領も欲しがる訳だ。」
「暗殺だとか、其れはせずとも誰かの力になるのならと思って、マフィアに入ったのだけど…」
私の知らないところで人が死んで、
私の手は汚さずとも人の手を使って殺しをしているみたいだ
と、彼女は其のとき初めて、悲しい表情をしてみせた。
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作者名：ぬん | 作成日時：2023年10月1日 0時
