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横浜中心街の一等地、青く屹立するポートマフィア本部ビル。
任務の報告を終え首領の部屋を後にし、廊下を歩いていた。
「お主、また活躍したそうじゃのう。やはり私の直下に入らんか？」
「いえ、そんな、滅相もないです。私じゃとても力不足です。」
ズンズンと廊下を進んでいた先に、
人影と話し声が近づいてきた。
「姐さん？」
向かいから歩いてくる人影の正体は、姐さんともう1人。
私に気づき近づくなり、足を止めた。
「おお、太宰でないか。鴎外殿のところか？」
「ええ、任務の報告に。」
「そうか、ご苦労じゃったのう」
「姐さん、其方の女性は？見かけない顔のようだけど」
姐さんの少し後ろに立つ、綺麗な赤髪を下ろした小柄な女性。
闇を感じない彼女の雰囲気は、マフィアの人間とは思えない程だった。
確かに初めて見る女性の筈なのだけれど、どこかで……？
「この子は私の部下じゃ、仮じゃがのう」
「ムッ…紅葉さん、私は誰の直下へも入るつもりはありませんよ」
「そうか、気が変わったら言うのじゃよ？」
「…すみません太宰幹部、申し遅れました。私の名は�狄ヅ�A�瓩反修靴泙后�
彼女は私に頭を下げ、名前を名乗った。
…�狄ヅ�A��
……織田……赤髪……直下に入っていない……
「……！ああ、織田作の！」
「はい、織田作之助の妹にあたります。いつも兄がお世話になっております。」
下げていた頭を上げると、彼女は笑顔を見せた。
…織田作、確かに君とは似ていない。
私に向けた、にこやかな表情。
先ほど姐さんに向けた、ムッとした表情。
ポーカーフェイスの織田作とは違って、彼女はとても表情が豊かだ。
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作者名：ぬん | 作成日時：2023年10月1日 0時
