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「で、居場所の検討はついてんだろうなぁ？太宰」
「勿論。検討も何も、彼女の行動範囲は常に熟知しているさ」
「……？は、真逆、手前……」
ほら、と中也に向け携帯電話の画面を見せる。
「安心し給えよ中也。君が彼女を�犒鯀瓦豊甓箸泙覗�り届けていたことは把握しているさ」
「手前…ッ！真逆、盗聴は…」
「其処まではしていないよ、何せ家には織田作がいるのだからね。兄妹の時間まで邪魔したくは無い。」
「手前ならやり兼ねねェからな。」
「…さァ、急ぐよ中也。彼女は埠頭の２番倉庫だ。」
携帯画面に映し出された地図に点滅する赤い点を見つめ乍ら目的地を伝えた。
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「静かだな…」
「だね…彼女は此の奥だよ。」
２番倉庫入り口に着き中を覗き見るも、
視界の限りには彼女と誘拐犯の姿は見えない。
「中也、作戦は�猩�傍の草影�瓩任いい諭�」
「………あぁ。…Aを頼んだからな」
中也は珍しく私の意見に反論せず、
そう告げるなり倉庫内へ進んだ。
居場所は判っても、あの写真から今まで何が起こっているかは未だ判らない。
…まァ、大方、私への復讐の為に彼女を誘拐したのだろう。
ドカンッ…という大きな音を合図に、私も倉庫内へ足を踏み入れた。
進んだ先に見つけたのは、男に馬乗りしている中也と、
端の方で足を抱え込んで蹲っている彼女の姿だった。
腕を繋がれていた鎖は中也の異能により壁ごと破壊されていて、彼女の手足は既に自由になっていた。
Aちゃんが拐われたと知り、
彼も彼ですごく焦っていたのだろう。
倉庫に入るなり、真っ先に彼女を解放したようだ。
「……Aちゃん、待たせたね」
「……だ、ざいさ…ッ…」
彼女へ近づき声をかけると、酷く震えた声で私の名を呼んだ。
肩には中也のコートが掛けられていたけれど、
其れは気に食わないから代わりに私のを掛け、中也のコートは投げ捨てた。
「すまない、私の所為だ。」
「…ごめ…なさ…い、ごめんなさ…、ごめん…なさい…」
彼女は何も悪くはないのに、謝りながら大きな涙を流す。
私は蹲り震える彼女を抱き締めて、彼女の呼吸が落ち着くのを待った。
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作者名：ぬん | 作成日時：2023年10月1日 0時
