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日の暮れ始めた頃、漸と自分の執務室へと戻る。
今日は久しく日付の変わる前に戻ることができた。
今は誰もいない執務室だけれど、
私の机上は綺麗に整理されていたり、
提出すべき書類がまとめてあったりと、
彼女が此処へ来ていた形跡だけが残っている。
「こんなにも会えない日々が続くと、流石の私でも落ち込むねー…」
椅子に座り天井を見上げると、ぐるっと椅子を回す。
こんなにも忙しく動かされるのは何時振りか。
屹度、首領が態と任務が重なるよう仕向けているのだろうと察した。
…無論、Aちゃんを匿っている事、首領の気に触れたか。
今日は喫茶店での仕事の日かな。
…帰りに少し寄ってみようか。
そうだ、今日は織田作が迎えに行くと言っていたから、私が変わると連絡してみよう。
そう思い、コートのポケットから携帯電話を取り出したとき、
丁度、電話が掛かってきた。
prrrrrrrrrrrrrrrr....
画面を見ると、相手は織田作だった。
「はあーい、織田作。私も丁度君に電話を…………え？もう一度言って」
「Aが居なくなった…ッ…店へ時間通りに迎えに行ったら店長が、Aは出たっきり戻ってないと…」
電話越しの織田作は非常に焦っているのが伝わってきて、
走り回っているのか、珍しく息が荒い。
「…織田作、私が行くから君は家で待っていてくれ」
「太宰、でも俺が行かないと…」
「織田作？Aちゃんが帰ってきた時の為に、家で待っていてあげて欲しいんだ……いいかい？」
「……ああ、頼んだ、太宰。」
電話を切り、頭の中を整理させる。
兎に角、彼女の居場所を見つけないと。
椅子から立ち上がりドアの方へ向かっていると、
再び携帯電話が鳴り、今度はメールの知らせが届いた。
「…ッ………此れは酷い…良い趣味をしている様だね…」
送られてきたのは監 禁されているAちゃんの姿写真だった。
連絡先から�爐覆瓩�じ�瓩鯀�択し、電話を掛ける。
「…ああ？何の用だ太宰。俺は忙し…『Aちゃんが居なくなった』」
「………待ってろ、直ぐ向かう…」
………本当に、話が疾くて助かるよ。
私がビル外へ出ると、中也は既に車で到着していた。
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作者名：ぬん | 作成日時：2023年10月1日 0時
