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「ご注文はお決まりですか？」
「では、珈琲を二つ」
「畏まりました」
太宰さんからの忠告？を受けてから数日。
身の回りでの目立った事件は特に起こらず、平穏に過ごしていた。
ちゃんと言いつけは守っていて(サクと中也さんが)、
今日はサクが喫茶店まで一緒に来てくれた。
�犁△蠅歪蟷�で迎えにくる�瓩噺斥佞鮖弔靴織汽�含め、
皆んな私のことを信用してくれていないのだろうか？
あれ以来、太宰さんは忙しい様で、
執務室へ赴いても、彼は任務に出ていて会うことはなかった。
日も暮れ始めて、今日の仕事はもう時期終える。
……帰り、サクを連れてビルへ寄ってみよう。
リンリン……
お店のドアが開く音がして、
お店の入り口で佇む男性客を案内しようと近づいた。
「すみません」
「いらっしゃいませ、おひとり様ですか？」
「いえ、駅の場所が分からないのでお尋ねしたくて」
深く帽子を被っているため表情は良く見えないけれど、お困りの様だった。
「駅ですね。それなら近くまでお連れしましょう」
「助かります」
店長に声をかけ、男性と一緒に駅へ向かった。
「この辺りは初めてですか？」
「はい」
「そうなんですか、少し道が複雑ですもんね。でももうすぐ近くなので、そこまでお連れしますね。」
「はい」
何だか無愛想な人だな、なんと内心思いながらも、
彼が後ろから着いてきている事を確認しながら進む。
「あ…」
「？…如何しました？」
「此処が近道です」
「近道？場所、お判りなんですか？」
急に立ち止まり、そう述べる男性を不思議に思いつつ、
彼の指差す薄暗い路地裏を見つめていた。
……近道って、場所が判ったのなら私はもう用済みでは？
「此処から行きましょう」
「…駅の場所、判ったのなら私は此処で…」
「…良いから来い…！」
……油断したッ‼︎
気づいた時には時遅し。
手を引っ張られた勢いで路地裏に入り込むと、
注射の様なものを刺され、
其れが睡眠薬だと判ると同時に、私は気を失った。
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作者名：ぬん | 作成日時：2023年10月1日 0時
