OVERFLOW 【文スト】 (ページ11)

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隣に座るAちゃんは美味しそうに鮪寿司を頬張る。

「美味しいかい？」

「うん、すごく美味しい！特にこの鮪！」

「フフッ…そりゃあ良かった、良かったのだけどさあ」

「うんめェーな！こりゃ絶品だ。」

「なんで中也がいるわけ？」

仕事をささっと済ませ、
Aちゃんと行きつけの寿司屋に来たのだけれど、
なぜか中也が遅れて店に来た。

「Aが誘ってくれたんだ、な？」

「うん、報告書を提出しに行った時に丁度中也さんと会ってね」

「手前と2人じゃ反吐が出るが、Aが誘ってくれんなら別だ」

「…中也さんと太宰さん仲が良いから、一緒にいいかなと思ったんだけど……ダメだった？」

そう尋ねながら少し首を傾げ、私を見上げるAちゃん。

………こりゃ可愛いにも程がある。

「全く、君には敵わないね。2人きりでの逢瀬はまた別日に申し込むよ」

「逢瀬だぁ？笑わせんなよ太宰。」

中也がAちゃんに対して、
他とは違う特別な感情を持ち合わせているのは
2人の絡みを初めて目にした時から気づいていた。

…けれど、君に彼女は譲れないよ、中也。

「中也、今日は大人しく座らせてやっているのだから、ここの会計は君が頼むよ」

「ああっ？巫山戯んな！」

「Aちゃんの前だから、カッコつけさせてあげてるんだ」

「…………チッ、今度絶対に叩き潰してやる」

「さあっ、Aちゃん。いっぱい食べていっぱい食べて！此れなんかどうだい？雲丹は好きかい？」

「フフッ…本当2人は仲良いのね。太宰さん、連れてきてくれてありがとう」

「Aちゃんが満足してくれるのなら本望だよ」

「中也さんも………ご馳走様。」

「うぅぅぅぅぅ゛……食え食え！！好きなだけ食え！」

Aちゃんは、中也に対しても上手なようだね。

中也が来たのは残念だったけれど、
Aちゃんの笑顔を沢山見れたのだから、今日のところは良しとしよう。