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病院から帰るとき、
地下駐車場に向かうと千夏さんが待っていて
こんなとこで待ってたら
撮られるんじゃ、って思ったけど
何も言わず会釈して通りすぎようとしたら
.
千『このまま私がもらってもいいの?』
ねぇ?って聞かれたけど、
そんなの......私にだってわからないよ。
元々は
千夏さんの浮気で別れたって聞いてた。
でも千夏さんは
浮気相手とうまくいかなくて
やっぱり誠実だった裕太がよかった、って
それで言い寄ってたの。
でも裕太は私と付き合ってたし
自分で言うのもなんだけど
本当に愛されてたし、裕太は一途で
浮気した千夏さんを
全く相手にはしてなかった。
千『私的には都合いいけど、
一応......"彼女"の了承がいるかなって』
藤『っ、.....おいっ』
千『怖いナイトさんには話してないの。
あなたに聞いてるのよ?春山Aさん』
『..........』
千『別に、裕太も自分の記憶が
抜け落ちてることはわかってるし
3年の間に私と別れて、あなたと付き合ってるって
それを言うことを止めたりはしないわ。』
だって、それはあなたの権利だもの。
そう言って笑った彼女。
.
ここで、裕太に本当のことを伝えてたら
私は────────隣にいられたのかな。
.
『私からは、何も言うつもりはありません』
裕太の笑った顔が、好きだった。
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作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時