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藤「"たくさんの小さな思い出"
"あなたを守る"、"幸福を告げる"
............A、
俺はねお前に幸せになってほしい。」
太ちゃんの目が、真剣で
贈られる言葉に何も言えなくなる。
藤「あのプレゼントはね、
玉にAに似合いそうなのどれだと思う?
って聞いて毎年選んでもらってた。」
「..........」
藤「確かにあの事故で、
玉の記憶はAと付き合う前から
3年分......抜け落ちてしまったけど」
"それでも、
Aが身を引く必要はなかったと思う"
カランコエの花束が綺麗で
"たくさんの小さな思い出"
それが、どれだけ大切だったか。
心が苦しくなる。
苦しくて、でも涙は出なくて
あの日以来どれだけ悲しくても辛くても
心の悲鳴を無視するかのように
私の涙は出なくなって。
.
.
付き合うようになって一年半が経った頃、
裕太に誘われて初めて行ったコンサートで
裕太はローラースケートで
よろけた宮っちを支えようとして
そのまま2人で転んでしまって。
結果的に下敷きになった裕太は
頭を強く打って、でもそのときは
なんでもないように起き上がってた。
その日は最終日で、
終わってから念のため
病院で検査しようってことになった。
でも病院に行く途中で、
宮っちは気付いたみたいだったの
何かがおかしいってことに。
.
玉『俺たち、デビュー3年目なの?』
裕太の記憶は、
ちょうどデビューした年
2011年秋〜事故が起きた日からの
3年間分の記憶が落ちてしまっていた。
つまり、私との出会いはその期間中で
裕太のなかから私は消えてしまった。
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作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時