検索窓
今日:25 hit、昨日:1 hit、合計:738,831 hit

*6 ページ6

藤「"たくさんの小さな思い出"

"あなたを守る"、"幸福を告げる"


............A、

俺はねお前に幸せになってほしい。」









太ちゃんの目が、真剣で


贈られる言葉に何も言えなくなる。









藤「あのプレゼントはね、

玉にAに似合いそうなのどれだと思う?

って聞いて毎年選んでもらってた。」


「..........」


藤「確かにあの事故で、

玉の記憶はAと付き合う前から

3年分......抜け落ちてしまったけど」









"それでも、

Aが身を引く必要はなかったと思う"









カランコエの花束が綺麗で




"たくさんの小さな思い出"




それが、どれだけ大切だったか。

 

 









心が苦しくなる。







苦しくて、でも涙は出なくて




あの日以来どれだけ悲しくても辛くても


心の悲鳴を無視するかのように




私の涙は出なくなって。









.









.









付き合うようになって一年半が経った頃、


裕太に誘われて初めて行ったコンサートで




裕太はローラースケートで


よろけた宮っちを支えようとして




そのまま2人で転んでしまって。




結果的に下敷きになった裕太は


頭を強く打って、でもそのときは


なんでもないように起き上がってた。









その日は最終日で、


終わってから念のため


病院で検査しようってことになった。




でも病院に行く途中で、


宮っちは気付いたみたいだったの




何かがおかしいってことに。









.









玉『俺たち、デビュー3年目なの?』









裕太の記憶は、


ちょうどデビューした年


2011年秋〜事故が起きた日からの


3年間分の記憶が落ちてしまっていた。






つまり、私との出会いはその期間中で


裕太のなかから私は消えてしまった。

*7→←*5



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (793 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1256人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。