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触れただけの唇。
そっと、離れていけば
裕太の唇が追いかけてくる。
もう一度、とそして何度も。
冷たかった唇が熱を持って
3年半ぶりのキスに息が苦しくなる。
裕太の涙が私の頬に流れて
色んな想いが、込み上げる。
.
玉「........」
「..........はっ、」
やっと離された身体は
息を切らしていて、
裕太の"..........あ、"っていう言葉で
私も、思い出した。
.
藤「.........」
宮「........//」
え。宮っちもいたの?!
ていうか、色々混乱してきた。
裕太の記憶、戻ってないのに
さっき言ってた夢ってここでのこと?
出会った時のことを
その景色を──────少しは覚えてる?
.
藤「玉、........これ、渡しとくよ」
玉「........え、これ?」
藤「Aには捨ててほしいって
言われてたけど、俺が持ってたんだ
「っ、..........太ちゃん、」
藤「じゃぁ、俺は宮と帰るから
Aは玉と帰りなね。」
よろしくって、裕太に携帯を預けて
宮っちに声を掛けながら
スルリと通りすぎていく太ちゃん。
.
.
"ちゃんと幸せになって"
小さな声で届けられた、太ちゃんの想い。
振り返ると優しい笑顔と目があって
そのあたたかさに、心が綻んだ。
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作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時