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(藤ヶ谷 side)









いつから、こんなに大人の顔を




するようになったんだろうか。









.









.









『太ちゃん、笑って〜.......はい、チーズっ!』


藤『A、何枚目だよ』


『.......あ、ブッチョーヅラしてる。

ちゃんとニコニコしてよぉー』


藤『仏頂面って、

どこでそんな言葉覚えてんの(笑)』


『いいからっ、はい!チーズ!』









買ってもらったばかりのカメラを手に


無邪気に笑っていた幼い君が、




いつのまにかプロのカメラマンになって


人の心に響く写真を撮るようになった。









.









.









『太ちゃん、.......裕太って彼女いるの?』









不安げな、女の子の目をしていた。




玉との距離が近づく度に


綺麗になっていくA。








それでも変わることのない無邪気な笑顔。









玉の隣でそんな風に笑う君を




いつまでも見守っていたかった。









.









.









"なんで、


自分が彼女だって言わないんだよ"









あの日から、だと思う。






Aの笑顔は昔とは違う


心が泣いてるような、笑顔になった。









.









"太ちゃん"









その声は震えてはいなかった。









でも、悲しい笑顔だったんだ









『........私の気持ちがなくならない限り、

裕太のこと.......好きでいたい。


でも別に裕太を待つわけじゃなくて

............受け入れる為にそうするの。』









だから、自分から裕太には会わない。




太ちゃん、裕太の携帯のデータから


連絡先も写真も、消してほしい.......と。









そう言ったあの時のAの表情は




今、目の前にいるAに重なっている。

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作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時

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