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私の横を通り過ぎて


太ちゃん達の横に立った裕太。




ふわりと香った彼の匂いに


懐かしさが、こみ上げて。









記憶に一番直結するのは嗅覚だ、なんて


そんなどうでもいいことが頭をよぎった。









.









玉「あ、Aちゃん

この前誕生日だったんだっけ?」


「え?.........はい」


玉「ふふ。ガヤがさぁ、プレゼント選び

俺より絶対センスいいくせに

俺にデザイン選ばせるんだもん(笑)」


「..........」


藤「..........」


玉「その指輪、俺チョイスだよ〜

..........うん。似合ってんね」









一瞬、首もとにある指輪に触れて


ふわっと笑った裕太。









本当に選んだのはあなたなんだ、って




でも。









裕太の気持ちは私にはなくて









そう思ったら、心臓が痛くなった。









.









「っ、ありがとう、ございます.....」









それでも、笑わなきゃって




声震えそうだけど必死に耐えて









玉「...........」


「っ、私、撮影の準備あるので行きますね」


玉「.........あ、」


「.............え、」









限界で、


顔を伏せて3人に背中を向けたら




左手に裕太の右手が絡まって。









懐かしい手の温もりに


戸惑いと、驚きとで感情が溢れそうになる。









.









「......っ、あ、の......」


玉「............俺、っ、」









掴まれた手首が、少し痛くて




"いたっ、....."




って、思わず声が漏れた。

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作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時

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