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神様なんて、いるのだろうか。
あのとき、こうだったら
あのとき、こうしていたら
あのとき────────、と
後悔というものは際限がなくて。
.
花「A、次の現場行くわよ」
「はーい」
花「.......あ。次のとこモデルの千夏じゃん」
「.........ん。知ってるよ」
花「あの人、........なんなの?
Aも断ればいいのにさぁ」
花の呆れたような、怒ったような顔。
なんて言いつつ
心配してくれてるのわかってるの。
年齢的には2つ上の、一条花(27)。
カメラマンとしては
一応私の方が歴は長いけど
一緒に組むようになって5年くらい
お互い敬語もなしで気を許せる相手。
私のお父さんが有名なカメラマンで
子供の頃からカメラに関わってきた。
15の時から現場に立つようになって
17の時には1st.写真集を出させてもらったり
もう10年くらい仕事に生きてるの。
だから、公私混同なんかしないし
たった..........ひとつを除いて。
.
「仕事だもん。公私は分けるよ(笑)」
花「..........じゃぁ、キスマイは?」
「...........」
花「この3年間、
全くofferがなかった訳じゃないくせに」
「..........ごめん、」
花「........謝ってほしいんじゃない、」
.
"お人好し過ぎるのはダメって言いたいの"
花は、優しい。
優しくて、頼りになる人。
.
「.......いい写真なんて、撮れないよ」
花「...........」
彼にカメラを向けるなんて
きっともう、出来ない。
彼の記憶に、私はいないのだから。
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作者名:そら | 作成日時:2016年7月28日 19時