ヒカリノサキ。 (ページ37)

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藤「んじゃ1ヶ月

俺専属ってこと？(笑)」

「ま～、それに近いですね(笑)」

藤「.....やべ。

それめっちゃ嬉しいわ」

藤ヶ谷さんとのご飯。

お洒落なフレンチで

緊張MAXだったけど

藤ヶ谷さんスマートだし、

段々と慣れてきて

さっきの井野さんの話をした。

ああ、この

本当に嬉しそうに笑う顔。

ファンは好きなんだろうな。

.

藤「あのさ、」

食事を終えて、

送ってもらってると

藤ヶ谷さんが

ゆっくりと口を開いた。

藤「......なんかあった？」

「え、」

藤「ボーッとしてること

なんとなく、多かったから」

「っ、す、すみません」

なんて、失礼なこと

すぐに謝ったら

謝んなくていいよ、って

優しい言い方。

なんでそんなに優しいの？

でも、ダメだ。

もうこれ以上─────

「.....藤ヶ谷さん、あの」

藤「言わなくていい。」

「っ、」

藤「これ以上甘えらんないとか

俺の気持ち利用してる、とか

そんなこと.....考えなくていい」

後部座席からじゃ

運転席にいる

藤ヶ谷さんの表情はわからない。

藤「......利用しろよ」

「っ、」

藤「玉のこと忘れる為に

俺の気持ちなんか

いくらでも利用していいから。」

「藤ヶ谷さん...」

なんて、切ない声。

こんなこと本当にいいの？

ううん。良いわけ、ないよ...

藤「.....なんてな。」

「え？」

藤「ふふ、嘘ではないけど

そんな考えないでいいよ。

これから1ヶ月一緒だろ？

色々覚悟しててください(笑)」

可愛らしく、笑ってる。

どうしたらいい？

今日の玉森さんと

美和さんが頭に浮かんで

また、苦しくなって。

藤「.......だから

そんな顔するな、って」

私のマンションに着いて、

止まった車のなか

藤ヶ谷さんが振り向いて

私の頬に触れる。

「......っ、」

藤「...おやすみ。」

「う、あ....～～っ！//」

藤「ふはっ、真っ赤だな

俺まで照れるわ(笑)」

「っ、お、おやすみなさい！」

一瞬、触れた唇。

からかう藤ヶ谷さんに

恥ずかしくなって

慌てて車を降りて、走った。