ヒカリノサキ。 (ページ15)

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藤「...ん？何、どうした？」

　

ちょっと微妙な空気に

気がついたのか

藤ヶ谷さんが困った顔してる。

「...」

横「....あ、Aちゃん

太輔に用事あったんじゃないの？」

藤「用事？何かあった？」

「え？あ、......えっと、」

横尾さんに突然ふられて

ちょっと困惑しちゃう。

チラッと玉森さんの方に

目をやると目があったけど

すぐにパッと逸らされちゃって。

.

玉「...」

「...」

なんか、怒ってるのかな

自然と出てた溜め息に

藤ヶ谷さんは気付いてくれて

藤「A、話あるんだっけ？

廊下でもいいよ」

多分、空気を察してくれたの。

藤ヶ谷さんて

なんでこんなに紳士的なんだろ

.

藤「....最近、

あんま元気なくない？

玉と────なんかあった？」

人があまり通らない非常階段。

もたれかかってる

藤ヶ谷さんが

優しくふわ、っと笑ってくれる。

「.......この前、」

藤「うん？」

「...」

"玉森さんを送ったときに

家まで青山さんが来てた"

そう言いかけて、やめた。

だってそんなこと

気にしてたら......ダメ。

それに藤ヶ谷さんには

もう、バレてる気がするし

「っ、...ふふ。

この前体重測ったら2㎏も増えてて

最近食べ過ぎたなぁ、って(笑)」

藤「...」

「でも、これ。

松本さんと櫻井さんがくださって

......ありがとうございます。」

笑って、誤魔化した。

きっと嘘だって

気付いてると思うけど

優しい藤ヶ谷さんは

嘘だって、

わかっててもきっと────

.

藤「正月太りの前に太ったら

取り返しつかなくなるぞ(笑)」

こうやって、付き合ってくれる。

それからピアスにも触れて

".........やっぱ、似合うな"

深くは話さなかったけど

そう言ってくれた。