Love letter. (ページ29)

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夕方になって、

藤ヶ谷さんが来てくれて

藤「じゃぁ、お願いします」

「はい。ではいきまーす」

藤ヶ谷さんの歌声は甘くて、切ない。

今回の楽曲は秋にリリースする

藤ヶ谷さんメインのバラード。

恋の歌ではなく、大切な人を想う歌。

.

「オーケーです、お疲れさまでした」

藤「お疲れ様です。

.......この歌、キー合わせてくれてる？」

「え？あ、一応.......なんかありましたか？」

藤「いや。違くて....(笑)

さすがだなぁと思って。すげぇ歌いやすいし

でも俺のギリギリの音域まであるし

由宇から聞いてたけど、本当すごいね」

そう言って、フワッと微笑んだ藤ヶ谷さん。

........ん？由宇？

.

「.........由宇と、仲良いんですか？」

藤「んー、うん(笑)いいと思うよ」

「そう、なんですね.....」

藤「由宇に聞いてみな(笑)俺のこと」

「へ？あ、.......はい」

藤ヶ谷さん、楽しそうにクスクス笑ってる。

そういえばって思って

裕太くんまだかなって聞いてみたら

藤「あ、玉ね。今ちょっと動きづらくて

来られるとは思うんだけど

もう少しかかるかもしんない。」

「動きづらい......」

藤「うん。ちょっと、...色々あってね」

「...........週刊誌、」

藤「え？」

ふと、浮かんだ龍が持ってた週刊誌。

藤ヶ谷さんが一瞬驚いたような顔をして

"知ってたんだね"、って

困ったように笑ってた。
　

「........龍が、たまたま持っていて」

藤「あーー、そっか。でもあれは、」

「龍がツアー中なのに

大変だな、って言ってましたよ(笑)」

藤「.........」

「...って、私には関係ないですけどね」

なんだろ

自分で言ってて胸がチクチクする。

自分が今どんな顔してるかなんて

全然そんなこと、わからなかった。