苦くて、甘い。3 (ページ9)

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潤さん達と別れて

玉森先生と、2人きり。

けど、ちょっと

耐えられそうもないし

潤さん達の姿も

見えなくなったから

「.....私、一人で帰れるので」

玉「え？」

「近いですし、ここで失礼します」

ペコって頭下げて

先生に背中向けた。

けど─────、

.

玉「......送るから、待って」

掴まれた手首。

「........、放して下さい」

玉「...」

大好きだった、先生の手。

一瞬で

引き戻されそうになる

あの頃の、想いが

奥底にしまい込んでた

甘い、記憶が......

.

だけど、

それに気付かないふりをして。

「私いま、彼氏いるんです」

玉「...」

「さすがに元カレに

送ってもらうなんて

......気が引けるので、」

ゆっくりと離された手。

先生の方を見れば

また、そんな顔をするの。

玉「.......Aは

今ちゃんと、幸せ？」

何で、そんなこと.....

「.......幸せ、ですよ」

玉「じゃあ、

どうしてそんな顔してんの？」

何が、言いたいの？

.

玉「........俺と

付き合ってた頃のAは、

もっとたくさん笑ってた」

「......やめて、」

玉「俺にこんなこと言う資格、

ないのはわかってる。けど────」

「やめてくださいっ、」

けど、なに？

3年間、会ってなかったんだから

今の私のことなんて

何もわからないでしょ？

.

「.......確かに、

あの頃とはもう違いますよ

でもそれは大人になって、

色んな経験をしたからです」

玉「...」

「いつまでも、子供じゃないんです

もう3年も経ってるんですから...」

そうだよ、もう3年....

先生は今も

美羽さんがいるんでしょ？

.

.

玉「.........ごめん、

傷つけて泣かせて...ごめん。」

「っ、やめてっ....」

自分でも気付かないうちに

涙がポロポロ、零れてた。