苦くて、甘い。3 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:258,826 hit

＊96 ページ6

頭が、ボーッとする。

拓「────、」

なんだか、今日は疲れちゃった。

.

拓「A？」

「へ、.......わぁっ....？！」

拓「どうした？

ボーッとしてるけど、」

拓巳が、覗き込んでて

思わず仰け反ったら

ちょっと、笑われちゃった。

「ご、ごめん....

拓巳呼んでた？」

拓「うん。何度かね(笑)

今日太輔くんだっけ？

試合観に行ったんだろ？勝った？」

「あ、うん。快勝だったよー」

拓巳は、3つ上の営業マン。

仕事の懇親会で知り合って

何度かご飯誘ってくれて

2ヶ月くらい前から

付き合うようになった。

「........、んっ、た、くみ...」

拓「........いい？」

「んーー、いい....けど

お風呂先に入りたい、かも...」

.

.

キスも、それ以上も

なんか、あんまり感じなくて。

気持ちいいし、

嫌いじゃないけど

どこか────心が置いてけぼり。

拓巳だけじゃなくて

これまでずっと、そんな感じ。

　

.

梓『絶対、本気じゃないわよ』

そんなこと、ない。

ちゃんと、好きだもん。

時々、わからなくなる。

本当に笑ってるのか

自分でも─────、

もう、何も考えたくなくて

拓巳の腕の中で

ゆっくりと、瞼を閉じた。