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拓「.......嬉し泣き、
だったらいいのにな(笑)」
拓巳の指が、
そっと私の涙をすくって
初めて自分が
泣いてることに気がついた。
「......っ、」
拓「困らせるの、わかってた
........ごめんな。
わかってて、言ったんだ」
違う。違うよ拓巳
拓巳は悪くない、
悪いのは
向き合おうとしなかった
逃げてきた、私なの。
.
拓「.......Aのその顔、
すごく綺麗だね。
俺じゃそんな顔はさせられないよ」
「.....、」
こんなぐしゃぐしゃな顔、
綺麗な訳ないよ。
首を横に振れば
拓巳が私から手を放す。
拓「........行っていいよ、」
「.......っ、ふ、」
拓「この前Aが熱出した日
迎えに行ったのは、俺じゃない。」
「.....え、」
拓「"ユウタさん"、
Aがよく寝てる時に
口にしてた名前だよ。
.......知らないフリ、
気づかないフリしてた。」
拓巳は、気付いてた?
私が蓋をしてた気持ちに
見ないフリしてた想いに
こんなにも、優しい人を
私は傷つける。
本気で向き合ってくれたのに
何も返せないんだ、
「....っ、拓巳、ごめ───」
拓「謝んないで......、さよなら。」
ちっちゃい声で拓巳が
ちゃんと幸せになって、って
.
「........ありがと、さよなら」
自分の気持ちに、素直になるの。
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作者名:そら | 作成日時:2015年11月26日 0時