検索窓
今日:33 hit、昨日:9 hit、合計:182,626 hit

ページ2

.




「…Aさん、なんかありましたか」



部活の小休憩中、タオルで汗を拭いながら影山くんが少し小さめの声で話しかけてきた。



「え?別に何も……どうして?」

「菅原さんばっかり目で追ってます」

「え」

「俺のことは全然見ねえのに」

「あ、え、それはごめん」



ムッとした顔で口を尖らす彼に、つい謝る。

完全に無意識だけど、あの鈍感な影山くんにすら違和感を与えていたのか。

気をつけないとな、なんて思いながら眉間に皺を寄せていると、同じような顔をした影山くんが私の顔をひょこっと覗き込んでくる。



「本当に何もないすか?」

「何もないってばー」

「…今日はあんま、笑いませんよね」

「…………」



珍しく追及してくる影山くんに、さらに眉間の皺を深くさせる私。普段鈍いくせになんでこういう大事な時は勘づくのだろう。

「大丈夫だから!」と笑いながら彼の背中をバシッと叩くと、顔を歪める影山くんは痛さでそんなこと忘れたようだった。





☆☆☆





そんなこんなで、今日の部活が終了した。

「お疲れ様でーす」と帰っていく部員たちに手を振っていると、影山くんが駆け寄ってくる。



「私たちも帰りますか」

「うス…………あ、」



くるりと踵を返し、校門に向かおうとすれば、
目の前に現れる一つの影。



「!」

「菅原さん。お疲れ様です」

「あっ!お、おおう、お疲れー」



慌てたように部室棟に走るスガは、私たちを見るなりわかりやすく動揺する。

そんなこともつゆ知らず「どうしたんすか」と聞く影山くんにスガは「忘れ物してさ」とぎこちない笑顔で答え、そばにあったシューズ入れらしき袋を手に取った。


.

・→←33- 会せば張る



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (959 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1626人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , HQ , 影山飛雄
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 21時) (レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!!! (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます!!!!! (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー!オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー!! (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに!!正真正銘の両思いになりましたね!おめでとう!!!もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月18日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。