押せば成る【影山飛雄】【３】

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体育館内にいるバレー部全員がすごい顔をしてこちらを見ている。



「今日からよろしく」



ふ、と笑って手を差し出せば、影山くんも震えた手で握り返してくれた。




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「「「はあああああああああ！？！！？！？」」」



そんな重なることがあるのかとツッコみたくなるほどの部員の大合唱に、私と影山くんは握手したままビクッと肩を震わせる。



澤村「待っ…え？ちょっ……はあ？」

菅原「だだだだ大地！！落ちっ、落ち着け！！」

東峰「スガ！ス、スガガガガが落ちつけ！！」

潔子「…………」←一時停止



成田「そっか今日4月1日か、通りで暖かいと思った」

木下「春だなー」

縁下「残念ながらめちゃくちゃ秋です」

西谷田中「」←石化



月島「え？幻聴？」

山口「だと思う」

谷地「……っは、ぐ、」

日向「谷地さん息して！！！！」




多様な反応を見せる部員を見て、思わずふはっと吹き出す。

まあこうなるだろうなとは思っていたけれど。
それにしてもおもしろすぎる。

ちらりと影山くんのほうを見れば、優越感に浸ったように口角をぐっと上げて部員たちを見渡していた。



澤村「ふう…だいぶ落ち着いた…なあ、七海と影山」

「なに？」
影山「なんすか」



一足先に正気を取り戻したらしく、にこやかに私たちのほうへ近づいてくる大地。

そんな彼に合わせて私も笑顔で首を傾げれば、大地は突然影山くんと私の頭をがしっと鷲掴みする。



澤村「 " なに？ " じゃねええええ！！！！！今すぐ話を聞かせろコラァァァア！！！！！！！」



その一声を合図としていたかのように、バレー部のほとんどが私たちにぐわあっと飛びかかってくるという地獄絵図が完成した。


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