押せば成る【影山飛雄】【３】

２６- 押せば成る(仮) ページ15

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白鳥沢との決勝戦を終え、全国行きを決めた烏野。

少しお休みを挟み、数日経った今日は優勝してから
初めての部活だ。

切り替えて…いや、切り替えられるほどスッパリと余韻は断ち切れないが、それでもいいだろう。



ただ私には、ひとつ気がかりなことが。



「(今日か…)」

「…A、どうしたの」

「あっううん、なんでも？」



放課後、体育館へ向かう道を潔子ちゃんと歩く。

…別にいつからなんて言われてないけど、たぶん、タイミング的には今日。

なぜかと言われると、優勝して感動的なハグをして以来、私は彼と一度も話せていないから。



「！」

「…あ」

「チワス！！」

「うん」



決勝戦の日からは見違えるほどシャキッとしたようすの影山くんが今日も元気に挨拶してくれた。



「潔子さーーんっ！！！」

「………」

「今日も素敵なガン無視に感謝！！！」

「素敵なガン無視とかいう日本語はないぞ」



そばでは部員たちがいつも通り部活を始める準備をしていて、なんら変わりない風景。

そんな中、影山くんは「あの」と口を開く。



「Aさん」

「…うん、なあに」

「俺と、付き合ってください」





菅原「ははは、影山は今日も影山だなー」

田中「あいつあれ毎日言うつもりっすかね！」

縁下「ほんといつ報われんだか」

月島「あれ見てるのおもしろいですけどね、結構」





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「いいよ」






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ドンガラガッシャン！！と体育館のさまざまな場所からものすごい音が響いた。



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