5. 思い立ったらすぐ行動 ページ5
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「じゃあ俺が行く。しかたない」
「えっ!?角名!!おい!!俺も行く!!!」
「行くんかい」
『思い立ったらすぐ行動』角名が1番嫌いそうな言葉やのに、他人のこととなると話は違ってくるらしい。
スッと立ち上がる角名に慌てて俺も大きな音を立てて立ち上がり、スタスタ歩く角名についていく。
そして、机をくっつけて昼飯を食うとる西川さんとその他の友達の4人グループのもとへとたどり着いた。
「ねえ、今ちょっといい?」
「角名くんや〜、どうしたん?」
迷いもなく話しかけた角名の後ろに隠れて、視線をただただ西川さんにだけ向ける俺。
角名の問いに返事をしたのは西川さんの隣におる女子で、西川さんはあのニコニコ顔で角名を無言で見つめとる。
角名!!お前っ自分だけ笑顔向けられよって!!
でもこんな近い距離でこの笑顔見れたん初めてやから許したる!くそっ、なんてかわええんや…
「お願いがあるんだけど、今週の土曜って空いてる人います?」
手あげて、とでも言うように自分が挙手しながら問いかける角名。
すると、手を挙げたのは4人中3人やった。
「あれ、西川さんは空いてないの?」
「うん、私は予定あるかな…ごめんなあ角名くん」
かっ…肝心の西川さんが空いてへんやと!?!!?
計画台無しやん、と唖然としとれば、角名も「どーしよ」みたいな顔でこっちを見てくる。
まあええわ、こうなったら一旦話すだけ話して今日は退散や。
「あーえっと、バレー部の試合がここの体育館であんねんけど…よかったら観にこーへんかな思てん。今回、ギャラリーOKみたいやから」
西川さんがこれへんなら話は早い。愛想笑いを浮かべながら他の3人にささっと説明すると、「あー」と3人は顔を見合わせる。
「どーする?行く?」
「うん、暇やし行ってもええかな〜」
あんたらがこようとこまいと俺にはどっちでもええねん、なんて心の中で冷めた態度を取る俺に、「えっ」と驚いたような声をあげたのは西川さんやった。
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作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月10日 14時