検索窓
今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:41,398 hit

16. 天国での握手会 ページ16





……え?

俺、いつのまに天国に来た?



「バレー部ってファン多いやん?やけどあんまり女の子と仲良うしとるとこ見いひんかったから、気安く話しかけたらあかんのかな〜て勝手に思っとってん!」



俺が今まで見た中でも最上級の笑顔の西川さん。

嘘やろ。この子、俺にもこんな顔してくれんねや。



「せっかく同じクラスやし仲良うしたいもんね!これからよろしくなあ宮くん」

「っえ」

「ん?」

「な、なんですかこの手?」

「え?握手やん」



俺に向かってスッと手を差し出し、当然のように言う西川さん。

握手?あ、く、しゅ?

手を握るって書いて握手やで?握手会、なんて言葉があるくらいには価値のあるもんやで?




「無料ですか?」

「はい?」




「早く握れバカ治!!!!!」

「うわーーー!!!」



そんなことをやっとるうちに、知らん間にまた現れた角名に無理やり西川さんの手を握らされた。

驚きでつい大声を上げる俺。

西川さんはというと、俺と握手している手を軽く上下に振りながら笑っとる。



「なんやよーわからへんけど、宮くんと角名くんのコンビはおもろいねんなあ」

「いや、治がおもしろいのは西川さんの前だからだと思うよ」

「あはは!なんなんそれ!」



和やかなムードが漂う中でも、俺と西川さんの手はまだ繋がっている。

あー、幸せや。初めてや、こんな感情。

まだまだ何も始まっとらんのに、俺は完全に有頂天になってしまっとって。


あの悪夢を、すっかり忘れてもうてた。



17. 台風の目→←15. 悪魔と天使



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
242人がお気に入り
設定タグ:HQ , ハイキュー , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月10日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。