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◇ そばにいて 3 ページ12

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スマホを持ってきたのに、見る気も起きなくてテレビをつけて、三角座りをする。
テレビでは楽しそうに笑ってる声が聞こえるのに、内容は頭に入ってこない。
笑顔になれない。

廉くんの悲しそうに微笑んだ顔。
「わがまま言って、ごめんな」って言葉。

わがままなんて今更だよ。
これからもそばにいてよ。

なんて簡単に言えない状況になったら、受け入れるしかないんだろう。

終わりが近付く足音は本人しかわからない。
私にはわからない。

気付いたら、また泣いていた。

好きなんだよ、廉くんが。
どうしようもなく好きなの。

ガチャと寝室から音がしたように聞こえた。
…あ、廉くん起きちゃったのかな
また溢れてきた涙を拭いながら、リビングのドアの方に目を向けると、眠たそうに目をこすって立ってる廉くんと目が合った。

「 …なに、いなくなったと思ったら泣いてんの」

そう言われると、また涙がこぼれた。
バレないように隠していたのに。

「ううん、泣いてない大丈夫」
「泣いてるやん、どうした？」

私が座ってた隣に廉くんは腰掛けた。
隣に温もりを感じるのにもホッとする、暖かい。

廉くんの方を見ると、こちらを見つめていて目が合った。
話してみなって、さっきの眠かった姿はもうなくて、優しく笑ってこちらをみていた。

「 …夢を、見て」
「なんの？」
「廉くんがいなくなる夢」

思い出すだけで怖くなる。
廉くんがいない世界。
そんな世界が存在すると思うと辛かった。

「いなくならへんよ」
「 …わかんないじゃん」
「なんで」
「廉くんが私と一緒にいられないって言う日が来るかもしれないじゃん」
「 …… 」
「始まったら、終わっちゃう」

自分でもくだらないことを言ってるのはわかってるから、廉くんの方を見れなくて自分のつま先を見ていた。
廉くんを困らせてる。
わかってるけどね、そう思っちゃうの。

「めんどくさくて、ごめん」

廉くんは隣で小さくため息をついた。

愛想つかれちゃったかなって思う。
言わなきゃよかったかな。
でも、言わなきゃ伝わらなかった。

廉くんはこっちを向いたかと思うと、私の顔を両手で挟んで自分の方に向かせた。

「めんどくさくてごめんって何。
めんどくさくないねんけど」

それと同時にぎゅっと抱きしめられた。
廉くんの腕の中。
…落ち着く

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