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◇ そばにいて 4 ページ13

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「一緒にいられない日なんて考えないで、
今が大事なんだよ」

声が頭上から聞こえる。
廉くんは私の頭を優しく撫でた。

「一緒にいられない日なんて考えてないし、こおへんよ」
「ほんとに？」
「うん」

その一言で支えられてる。
廉くんと同じ気持ちなのが嬉しくて、また泣きそうになった。

「さっきAが言うように、始まったら終わっちゃうなら、終わったら何かが始まるんやろ？なら大丈夫」

廉くんが私と目を合わせる。

「また、何があっても始めるから」

廉くんの真剣な目が私を貫いて、ぎゅっと胸を掴んだ。

はあ、そういうところなの、廉くんは。

泣くなって〜って廉くんが私の目元を押さえた。
泣いちゃうよ、泣かないなんて無理。

「泣き虫A 」
「ほんとに泣き虫だね、私」

ふふって笑うと、廉くんはまた私の頭を撫でて

「そうやって笑っててAは。それだけでいいから」

廉くんの言葉って魔法みたいだ。
さっきまでの不安が全部飛んでいく。

「でも俺も心配してるし。Aがいなくなっちゃうんじゃないかなーって」
「え、ないよ絶対！」

廉くんの目を見ると、奥が不安で揺れてる。
ないよって否定したけど、廉くんには届いてると思ったけど、届いてない部分もあるのかな。

私は廉くんがいてくれたらそれでいいのに、伝わらないこともある。
言葉だけじゃダメなときもあるだろうから。

「でも、普通のカップルみたいなことはできないやん。だから、いつもわがまま聞いてくれてありがとうって思ってるよ」

廉くんはそう少し悲しそうに微笑んだ。

———わがまま言って、ごめんな

夢の姿と同じ笑い方と、わがままっていう言葉。
…あぁ、そっか、廉くんは、思ってたんだどこかで。
自分がわがまま言ってるって。
全然わがままじゃないのに。

「そんなわがまま大したことないよ」
「大きいよ、十分」

首を振る廉くん。
違うよ、わがままの大きさじゃない。
言いたいことはそこじゃなかった。

「だとしても、ごめんじゃなくてありがとうって言ってくれてありがとう」
「 …ごめん？」
「夢の中でごめんなって言って廉くん消えてったから」

そっか、夢の中で俺も同じこと思ってたんやって廉くんは笑った。

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