Storm's a moment vol.4 (ページ7)

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トリセツページ7

side 墨谷

『ふふ、愛の告白でしょ』

潤「気持ち悪いわ」

『え？ホントは嬉しいんでしょ？』

潤「んな事ねぇだろ」

『本音ベースで話そうよ』

何年か前のCMで聞いたような掛け合いをしながら、着いたスタジオ

真っ黒な壁に真紅のソファが一脚

夜の香りだ、なんて言いながらセットに入った2人は次の瞬間、“被写体”のスイッチに切り替わる。

怪しげなセットの中で、虎視眈々と獲物を狙うような静かで、でも強い眼差しをカメラのレンズに向けたかと思えば

冷たい表情の中にほんの一欠片、口元だけ僅かな笑みを浮かべて、こちらを誘惑する

その雰囲気たるや、誰をも酔わせる“ル・ポアゾン”を体現する様。

視線が動く瞬間、足を組み替える動作一つ

瞬きのほんの一瞬でさえ、芳潤な色気が放出される。

ST「ー…恐ろしいですね……」

撮影を隣で見守っていた雑誌の編集者が、ポツリとこぼす。

ST「松本さんも櫻寺さんも、まだ30代入ったばかりですよね？ここまで円熟された色気を、この年代で出す人はそうそう居ません」

ST「これから更に年を重ねて、また深みが増した色気……、もう怖すぎます」

今はまだ、若いだけのセクシーさが前面に出ていた名残で、色気も“芳潤”と評価される

しかし、これから更に経験を積んで年を重ねて、10年後には“芳醇”に書き換えられるであろうと、個人的に思っている。