Storm's a moment vol.3 (ページ32)

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光芒ページ32

side 黒須

有耶無耶にされたこのカップルの本心

気付けば、次の曲のレコーディングに入っていた。

翔「《すべて思いどおりになるのが自由
そんな誤解してるから簡単にうろたえる》」

翔「《引き返さない急に止まれない
We're on the Freedom Train 心決めたら
純な想いだけ燃やしながら
You're on the Freedom Train 終点だけめざす》」

こちらも比較的ロックなテイストの曲

“自由とはなんだ”と、“最後は自分自身だ”と言う歌詞。

『ん～…………、間奏がなぁ…』

黒須「引っかかるか？」

『なーんかモノ哀しい感じがする…。ん～…もうちょっと足そうかなぁ…』

譜面と歌詞を見て唸り始めた旭灯。

ガラス越しにその姿を見た翔が、レコーディングブースから顔を出す。

翔「ーなんか変更？」

黒須「ん？あぁ、間奏が引っかかるらしい」

翔「間奏……、歌詞が増えんのかな？」

ディレクションルームに置かれたソファに座る翔の手にも、譜面と歌詞

オレの目と耳には、十二分にカッコイイ曲に聞こえるがね。

黒須「時間はあるから、じっくりやってくれれば良いさ」

翔「オレ、今日コレで終わりだもんね」

『んん～……。翔さん、ちょっと歌詞増やしてもいい？』

翔「モチロンデース。全然良いよ。」

『ふふ、ちょっと待ってて』

ペンを持ち出し、歌詞の追加を始める旭灯。

歌詞をペンの先で辿りながら、鼻歌でメロディを辿る

黒須「…こうして作られるんだな」

翔「ーそっか、クロさん旭灯のソロ曲のレコーディング見たことないんだっけ」

黒須「あぁ…、初めて見たよ」

翔「結構あるんだよ。レコーディングして聴いてみて、“なんか違う”って思う事があるらしい」

黒須「ほぉ～……、」

初めて目にした、旭灯の創作風景

舞台に立つ前、稽古に入る事前準備として

役の資料を集めたり、過去の映像があれば何度も観ては、役の研究を重ねる姿というのは、見る機会も多い。

自分のソロ曲や、嵐の曲も書く事がある旭灯のレコーディング風景というのは、面白いぐらいにタイミングが合わず

何時もデモを聴いて、次に旭灯プロデュースの曲に触れるのは編曲まで終わり、完パケした状態。

チーフであるオレがほとんどノータッチと言うのは、普通ならまずあり得ない。

他のグループではあり得ない事なんだろうが、楽曲制作に関して嵐は比較的自由度は高い

そこが、他グループと大きく違う点だろう。