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「綾乃!!何で電話にでないのよ?!」


私は朝から不機嫌な親友の声を、携帯のスピーカー越しに浴びせられながら、のそのそと朝食の仕度をする。


「あの後、色々とあったんだよ。それで疲れて爆睡してた。」


「色々ってなになに??もしかしてあの人といい感じになったの?」


香は大きな勘違いをしている。それもそうだろう・・。まさか警察沙汰になるような事件が身近に起きるなど誰も想像しない。

「実は・・・。」


爽やかな朝にはふさわしくない内容だが、親友に嘘はつきたくないのでざっくりと昨日のできごとを伝えた。


「ええええ!!何ですぐ私に連絡しないのよ!!てか本当に大丈夫だった?怪我はなくてもメンタルの方は・・?」


香は誘った身としてどこか負い目を感じているように私に恐々と訪ねてきた。


「寝て起きたら大概の事は吹っ切れるから安心して。それにとても親切な警察官に助けてもらったし。」



「・・・今日会えない?」


「何それ。彼氏にでもいいなよ。」


「バカ、いたら合コン行ってないわ。何ていうかあんたの事が心配で顔見ないと安心できないの。」


「・・・香、私が男だったら間違いなくあんたに惚れてる。」


「うるさい、じゃ12時に『ポワロ』でね。」


一方的に約束をこぎつけられれば、照れ隠しするように香は電話を切った。

私の親友は中々のツンデレだ。こういう優しいところが大好きだ。



さて、朝食を食べながら私はゲームを立ち上げソシャゲをする。


今日はユウヤさんいないかな?昨日インできなかったし・・・


ユウヤさんのイン率は不定期で、プレイ中でもたまに急遽仕事でログアウトする事がしばしば。


「ユウヤさんって、一体なんのお仕事されてるんだろう?忙しそうだしなぁー。」


などとボヤいていれば・・・


ユ『アヤノさん、おはようございます。』


ゲームのチャット画面にユウヤさんからのメッセージ。


「キャー!!ユウヤさんだぁー!!」


私は喜びのあまり思わずゲーム機をギュッと抱きしめ、足をバタバタさせた。


ア『ユウヤさん、おはようございます!朝からユウヤさんに会えて嬉しいです!』

画面にユウヤさんのアバターが現れると私は手をふるエモートを押し、本当はハグもしたいが恥ずかしくてできない。


ユ『僕もですよ。お会いできて嬉しいです。それと、来週から始まるシーズナルイベント、良かったら一緒に行きませんか?』

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作者名:ユウナ | 作成日時:2019年8月8日 9時

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