二十二話 ページ23
貴「これは……木?」
牢屋の隅にあるそのAの掌サイズほどの大きさの木は、ひっそりとそこに生えていた。
丁度檻の外からは視覚となっており見えないが、しっかりと牢屋の地面に根を下ろし、力強く成長している。
貴「(しかもこれは楓の木だ…)」
紅葉の木々が咲き誇る山の中で暮らしていたAがいうのだから間違いない。
それに加え、Aは紅葉の一種の木を薬用として作ってきた。
Aの家系は昔から薬師をしていたのだから間違えようが無かった。
この牢屋の中は決して生きやすい環境ではない。
太陽の光もずっと浴びていられるわけではない。それでも、いや…だからそこだろうか。
Aはその楓の木を自分と重ねた。
この木はずっとこの場所で生きていかなくてはならない…と言うことを、Aは自分と重ねた。
貴「(……せめてみんなに見つかるまでは…)」
そう思い、A桶にある水をその木にかけてやり、葉を撫でた。
そしてその木が根を下ろしている地面に目が行く。
その時、Aはあることを思いついた。
*
三人「文字の読み書き?」
貴「はい。」
そう。Aが四人に提案したのは、自分に文字の読み書きを教えてほしい。というものだった。
宇随「チビ女。お前派手に丁寧な言葉喋ってんじゃねぇかよ。それに前自分の名前書いてたじゃねぇか。」
貴「これは母から教わったものです。書物を読んで学んだことではありません。
……それに私の名前は親からもらったものですので、それだけは書けるようにしました。」
蜜璃「なんていい子なの!キュンキュンしちゃうっ!」
煉獄「だが何故突然文字の読み書きなんてものを?」
当然の疑問だ。
文を書くわけでもないのだから文字を知る必要はない。
Aは煉獄の問いに少し考えてからゆっくりと口を開いて返した。
貴「……外にいる時にも、みんなとお話したいから…です…」
少し恥ずかしそうにうつむき気味になって答えるAにみんなは一緒目を見開いたが、すぐに笑顔を返される。
蜜璃「勉強熱心なAちゃんも可愛い!それなら私も一肌脱いじゃうわ!!」
宇随「しょうがねぇな!教えてやる!だが弱音は吐くんじゃねぇぞ?」
煉獄「では俺は書物を持ってきてやろう!」
貴「…ありがとうございます。」
ホッとしたように息を吐くAを、はしゃぐ三人を避けて一番端っこにいる時透がジッと見つめていたのをAは知らない。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!修正しました! (2020年10月6日 12時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十話の所ですが、はが一つ多い所があります。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» わかります!甘いもの好きなのに外行かなくて運動不足になりますし、カラオケに行く予定だったのにコロナのせいで行けなくなりました…早く夏になって死滅してくれれば嬉しいんですけどね(´;ω;`) (2020年3月3日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 食べれましたね!私は外出できないので太りそうです( ;∀;)極度の甘党なので (2020年3月3日 16時) (レス) id: f69b55532e (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» うわ…それは大変ですね!ワーク終わらせたんですか!?完全に存在を忘れていました…(−_−;)明日から投稿ペース下がったらすみませんww (2020年2月29日 23時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年2月1日 18時