二十話 ページ21
貴「ゔぅ……ぅ……」
人を食いたいと言う本能を完全にねじ伏せ、立ち上がる。
Aが、鬼の本能に勝ったのだ。
蜜璃「Aちゃんっ!!」
汗を流しながら苦しそうに立ち上がったAに蜜璃が走り寄る。
だがその前に何者かによってふらふらのAが支えられた。
ふわりと香るこの匂いは、Aを助けてくれたあの人……
冨岡「よく我慢した。」
貴「っ…」
冨岡義勇だ。
驚きながらも突然の近くからの人間の匂いに包まれた事でまた飢餓症状が出そうになる。
だが、富岡はそれを予想していたようで、時透が手を出さぬ様刀を抜き構えながらAに向かってこう口にした。
冨岡「その感情を抑えろ。お前はただの鬼では無い…鬼の本能を制御出来るはずだ。
抑えろ。稲葉。」
貴「ふっ……ぐゔぅ……」
冨岡は柱だと前に宇随と煉獄から聞いた。
だからこそ、この人はAをこの場で気絶させて牢屋へ戻すことなど造作もないはずだ。
だが、それをしないのはAがこの感情をコントロールできると考えているからである。
そしてその冨岡の意図を察したAだからこそ、それを生かしたい。
貴「ゔゔぅ…」
縮こまりながら苦しそうに唸るAの頭の中には、時透に言われた言葉がずっとリピートされていた。
「……どうせすぐに生えてくるんでしょ。鬼の癖に騒がないでよ。」
「勿論聞いていましたよ。この鬼は拘束し、檻に入れてる…と。」
「ほら、やっぱり鬼だ。」
鬼だと言われるのはしょうがないと思っていた。だが元は人間……異物を見るような恐怖の混じった目で見られるのが怖かった。
悲しかった。
一粒の水晶の様な雫がAの頰を伝った。
三人「!」
前の様に過ごしたい。
みんなで食事をして、笑って、太陽の光を浴びたい。
人の様に………
Aが目を閉じてそう思った瞬間。
異変が起こった。
蜜璃「えっ!?えぇ!?」
宇随「おいおい…どうなってんだ?」
時透「……!」
冨岡「…何をした?」
貴「……?」
みんなの困惑の声にそっと目を開ける。
すると、Aの視界に最初に映ったのは……長く鋭い爪の無い、幼い人の手だった。
A自身、何故こうなったのか分からなかった。動揺しながら富岡に助けを求めようと顔を上げると、急に視界が暗くなり力が抜けてしまう。
鬼の特徴の一つであるツノのない少女は、完全に意識を失った。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!修正しました! (2020年10月6日 12時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十話の所ですが、はが一つ多い所があります。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» わかります!甘いもの好きなのに外行かなくて運動不足になりますし、カラオケに行く予定だったのにコロナのせいで行けなくなりました…早く夏になって死滅してくれれば嬉しいんですけどね(´;ω;`) (2020年3月3日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 食べれましたね!私は外出できないので太りそうです( ;∀;)極度の甘党なので (2020年3月3日 16時) (レス) id: f69b55532e (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» うわ…それは大変ですね!ワーク終わらせたんですか!?完全に存在を忘れていました…(−_−;)明日から投稿ペース下がったらすみませんww (2020年2月29日 23時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年2月1日 18時