いやいや待て、主人公成り代わりとか聞いてない［文スト］

五十六話 ページ10

国「っ何だこれは！？」

『水槽の、中に…人！？』



溺れてる…



微かに聞こえた水の音はこれのことだったのか



水は止め処なく溢れていき



女性の体はゆらり、と水の中を漂い始めた



そして、力無く沈んでいく



国「っ！」ガチャッ









バァン バァン









発砲音が二発鳴り響いた















「ありがとうございます、助かりました…」



無事だったか、良かった…



佐「佐々城信子と申します

大学で教鞭を取っております」

『十二人目の被害者、ですか』

太「貴女を誘拐した犯人の顔は見た？」

佐「駅で急に気を失って…

気が付いた時には、こうして水槽の中で溺れかけていました」



犯人の顔は見ていない…か



そう上手くはいかない様だ



国「太宰、この状況をどう見る」

太「佐々城さんの格好がエ ロい」

「『真面目に！』」



太宰さんの発言に、つい僕もツッコミをいれる



佐「そうだ！

此処には私の他にも、誘拐された人が居るはずです」

『！』

国「何！？」

佐「水槽で溺れかける前に、確かに声を聞きました」



じゃあ、こんな事してる場合じゃないじゃないか！



助けに行かないと！



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ドカァン







片っ端からドアを蹴飛ばしていく



急がないといけない今、いちいち手で開けるなんてまどろっこしい真似はしない



『！



国木田さん！

居ました、此処です！』



硝子の部屋に閉じ込められて居る人々



何故かは分からないが、下着姿の者が多い



国「大丈夫か！」



その時、プシューッと云う音がした



太「退がれA君！



国木田君も！」

国「しっかりしろ！おい！」



ガスも無視して、国木田さんは硝子を叩き続ける



太「国木田君！！」

国「離せ太宰！人は…っ！



この様な事で死んではならんのだ！

離せッ…！



離せぇええええ！！」

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