俺にちょーだい？【つかさ】

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私は霊感があって、そこそこ強い方。
見えないものも普通に見えてしまうけど、いつも見て見ぬふりをしていた。


害を与えてくる霊に会ったこともないし、話したり触れたりすることも無い。




『.........。』




だから、怖い。

身近にいる霊が直接私に関わってくるなんて無かったし、考えたこともないから


さっきだって、先生に人外って言っても否定されなかったし、何なら今だって別の霊が目の前にいる。
霊は見えても霊に対する免疫がないのだ


今だニッコリ笑っている自分を見て後退りする。
走って逃げ出そうにも怖すぎて足が動かない




『う...そ.......。』




ぬっ、と鏡から腕が出てきて私の指を絡めとり手を握られた。



冷たい＿＿＿＿＿＿。




「ならさぁ〜私にそのカラダ頂戴？」



綺麗に制服を着こなした私が鏡から出てきて、楽しそうに聞いてくる。

ドッペルゲンガーと言うやつだろうか？
顔も、声も、体も、身長も、制服も私と全て同じ



気持ち悪い。


ただただ怖くて声が出ない私を、鏡からでてきた私がニッコリ笑顔で目の前立ち、返事を待っている




『い、やだっ』




握られていた手を離して脱いだ制服を取り、音楽室の出口に走ろうとした。けど、




「ふーん。断るんだ」

『...へ？』




次は男の子の声。


振り返ると、先程まで私の姿だった霊は足元から徐々に姿を変えていく。


目の前に立っていたのは私と同い年くらいであろう、書生服を身にまとった可愛らしい少年だった





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