秘密の部屋-What Should I Do? (ページ4)

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私はロックハートの本を一山抱え、なんとか人混みを抜け出した。

ハリーはまだ酷い目に遭っている。ロンもハーマイオニーも見当たらない。

背の高い本棚の間で、思うように身動きもできなかった。

「失礼、A嬢でいらっしゃるかな？」

冷たく上品な声がした。私は振り返った。

『ルシウス...マルフォイさん』

「これは光栄」

ルシウスは胸に手を当て、優雅に礼をしてみせた。

『どうして私のことをご存知なんですか？』

「いつも息子から聞いていますよ。美しく聡明なお嬢さんだとね」

ルシウスは微笑んだ。

その後ろに、ドラコ・マルフォイの影が現れた。
彼は今の会話を聞いていたのか、口を曲げ、変な表情をしている。
嘘に違いない。

『マルフォイ...』

「まあ、まあ！そんなよそよそしい......宜しければファーストネームで呼んでやっていただけませんか」

『え、ええ』

私は笑顔を作った。さっとドラコの手を握る。

『じゃあね、ドラコ。また学校で』

ドラコは目を見開いた。いけない、昨年度末に散々罵倒して別れたことを忘れていた。

私が言い訳しようと口を開くと、私の肩に誰かの手が置かれた。
それを見たドラコが嘲る。

ド「おや、有名人のハリー・ポッター。ちょっと書店に行くのでさえ、一面大見出し記事かい？」

「ほっといてよ。ハリーが望んだことじゃないわ！」

ジニーを連れたハリーが、ドラコを睨みつけていた。

ド「ポッター、また新しいガールフレンドかい？君のライバルだな」

ドラコはそう言って私の方を見やった。

そんな根も葉もないことを言われたって困る。
私は初対面のジニー・ウィーズリーに囁いた。

『あれは嘘だからね。また今度話そう』

ジニーは私のことを恐れているような、憧れているような不思議な目をした。

「ハリー！ジニー！」

アーサー・ウィーズリーの呼ぶ声がした。
こちらに来ようと人混みと格闘している。

ルシ「これは、これは、これは......アーサー・ウィーズリー」

形の良い眉を上げながら話を聞いていたルシウスが口を開いた。薄ら笑いを浮かべている。

ア「ルシウス」

そこから先は止めようがなかった。
父親たちは取っ組み合いを始めた。ジニーは泣きそうな目をしている。
ドラコは口角を右だけ上げて余裕そうな表情をしていた。呆れ顔の私と目が合った。