秘密の部屋-What Should I Do? (ページ16)

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そこからはスローモーションのようだった。

まるで氷が張るように、私の放った呪文が空中にガラス壁を作る。
ぱきんと冷たい音がした。

ドラコの瞳孔が大きくなった。
目が見開かれるのが分かる。
彼はそのまま硬直して、頭からゆらりと揺れる。
そして、ドラコの体は崩れ落ちた。

同時に、私の張ったガラスが落下し地面に叩きつけられる。
粉々に砕け散ったガラスが、ドラコの白い頬に傷をつけた。

私はドラコに駆け寄った。

焦ったようにぱたぱたと駆けていく音がする。予定外の人物に被害が及んでしまって、ジニーもトム・リドルも焦っていることだろう。
そんなことを冷静に考えながら、私はドラコの頬をそっと撫でた。指先に血が滲む。

よかった。私は間に合っていた。

ドラコ・マルフォイを石にしてしまったというだけで相当まずいのだけど、今は死なずに済んだことを喜びたい。

私はそっと杖を振った。

『オブリビエイト』

けれど、ほっとした私は当初の大事な目的を忘れてしまっていた。

「襲われた！襲われた！またまたポッターだ！」

その声が響いたときには、もう遅かった。
あちこちの扉が次々と開く。私は一気に出てきた人混みに呑まれ、立ちすくんでいるハリーの姿さえ見ることができない。

ああ、これは失敗だった。

私はそっとその場を離れた。
どうかドラコが石になってしまったことで、学校に不利なことが起きませんように。

校内は大混乱に陥った。
まさか純血が襲われるなんて、そんな声があちこちで聞かれた。

ハリーたちは、また別のところにショックを受けているようだった。そう、ドラコ・マルフォイがスリザリンの継承者でないということだった。

『だから言ったじゃない、ドラコを疑うのは時間の無駄だって』

私はため息をついて、談話室の肘掛け椅子に腰掛けた。
ところが、三人からの返事が帰って来ない。私は驚いて目を上げた。