pre-three ページ4
ダ「座れるものはあるかの?老体にはちときつくてな」
私は弾かれるように立ち上がり、ベッドを勧めた。
ダ「助かるのう...よし、これでよい」
腰を落ち着けたダンブルドアは、長い顎髭を触っている。
ダ「何から話したものかのう」
『ハリー・ポッターの世界は...実在するんですか?あなたはそこから来たんですか?それともこれは夢ですか?』
ダ「混乱しておるようじゃな。君は、この十年間その世界にいたのじゃよ」
ますますわけがわからない。
ダ「マグルの孤児院にいたのだから不思議もないのう」
少し答えに近づいた気がした。
私は、ハリー・ポッターの世界にいたにも関わらず気づいていなかったと言うこと、なのだろうか。
『十年間...ということは、私はそれより前にはどこにいたんですか?』
ダ「良い質問じゃ」
ダンブルドアは微笑み、語り出した。
ダ「その昔、ある者が古い文献を見つけての」
ダ「その文献にはこうあったのじゃ。この世界でもこの時間でもないどこかに、この世界で起こることを全て知っておる者がいると」
一呼吸つき、それから私を見据える。
ダ「そして、君はこの世界に呼ばれた」
『...どういうことでしょう?』
ダ「君の知っておるハリー・ポッターの物語は、確かに真実であるということじゃ」
ダ「いや、真実でないとも言えるのう...必ずしもその物語が展開されるとは限らん」
聞きたいことばかりだった。
私はここではないどこかからやってきて、それ故ハリー・ポッターの物語を知っていて、だけどそれはまだ起こっていなくて...
そもそも今は、ハリー・ポッターで言うどの年なのだろう?
私はダンブルドアを観察した。
手は呪われていない。私の幻覚でなければ、先程のセブルス・スネイプも若く見えた...
ああ、分からない。考え方を変えてみよう。
ダンブルドアの目的としては、私をホグワーツに呼びたいということなのだろう。
つまり、物語を知る私には何か役目があるということか。
そこまで考えて、閃いた。
『もしかして今は、ハリー・ポッターの入学前ですか?』
ダンブルドアは目を丸くした。
ダ「大正解じゃ。さすが、頭がよく回るのう」
『私の役目は...なんですか?』
ダ「特にはないのう」
また混乱してしまう。
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作者名:コーデリア | 作成日時:2021年12月18日 13時