賢者の石-What is Love? (ページ26)

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彼は鏡の前に駆け寄った。
そして、吸い込まれてしまうのではないかというような勢いで鏡を覗き込む。

ハリーは私たちを呼び、鏡を見せた。

『私、何も見えないわ』

ロンが鏡の前に立つと、今度はロンが鏡に取り憑かれたようだった。

私は周囲を見渡した。どこかの暗闇で、だれかと目が合ったような気がした。
二人が声も抑えずに言い合いを始めたとき、外の廊下で音がした。私は二人を黙らせ、マントを被せた。

『さあ、もう帰ろう』

翌朝、ハリーは何をしても上の空だった。

ロ「ハリー、あの鏡のことを考えてるんだろう」

『今夜は行っちゃだめ。昨日危ない目に遭ったでしょ？』

ハ「心配のしすぎだよ。君たち、ハーマイオニーみたいだ」

彼は行く気だった。まあ何も起きないだろう、そう思った私は、それ以上強く引き止めようとはしなかった。

私の思った通り、ハリーは翌日から鏡への執着を捨てたように見えた。彼の透明マントが使われているところは一度も見なかった。
そういえば、私ののぞみは何なのか確かめてみたかったかもしれない。

授業が始まると、私たちは休み時間になるたびに図書館に通った。ハリーはそれに加え、クィディッチの練習に明け暮れているようだった。

ある日の魔法史の授業が終わった途端、私は今日もハーマイオニーに手を引かれて図書館に走った。

ロ「げ...ハーマイオニー、止まって！」

ロンの必死の警告は間に合わなかった。スネイプ教授が勝ち誇ったように、廊下の向こうから近づいてきていた。

『私は5点に賭けるわ』

ハ「僕は一人二点に賭ける」

呻くように言った私たちを、ハーマイオニーが軽くこづいた。彼女は何か言い訳をしようと考えているようだった。

ス「A」

『...私ですか？』

意外なことに、スネイプ教授は走っていたことを咎めようとはしなかった。
他の三人に聞こえないよう、顔を近づけて声をひそめる。

ス「次の薬は明日の昼休みに取りに来い。いいかね、一人で、研究室だ」

スネイプ教授は低く言ってのけると、口元を歪めた。嫌な予感がする。

ス「それから廊下を走ったため、一人五点ずつの減点」

教授は去り際にそう言った。ロンが歯ぎしりする。

グ「あなた、スネイプに何を言われたの？」

『内緒』

私は悪戯っぽく笑った。
ハリーが私に疑念の目を向けていた。