賢者の石-What is Love? (ページ15)

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授業の終わり、私はロンに肩を叩かれながら教室を出た。隣でハリーも笑顔になっている。

ハ「君の羽、綺麗だったな」

緑の目を輝かせるハリーに言われると、素直に少し嬉しかった。

『ありがとう』

ロ「あの時のハーマイオニーの顔と言ったら！だから、誰だってあいつには我慢できないっていうんだ」

ロンは満面の笑みでそう言った。
私は複雑な気持ちだった。ハーマイオニーの呪文だって上手だったよ、そう呟いた。

ロ「だから何だ？君の方が優秀ってだけじゃないか」

ロンが軽口を言っているだけなのは分かる。そしてその原因は私にあることも。
だけど、この称賛は素直に受け取って良いものではなくて____

ロ「なんでもかんでもあいつの機嫌に合わせなきゃいけないのか？まったく、悪夢みたいなヤツさ」

人混みの中に吐き出すように言われたその言葉は、私の心を重くした。
口を開く。でも、何と言えば良いのか。

誰かがハリーにぶつかって急いで追い越していく。ハリーはその顔をちらと見たが、彼女の様子を直接的に伝えることはやめたようだ。

ハ「今の、聞こえたみたい」

ロ「それがどうした？」

ロンは少し気にしているように見えたけれど、肩を竦めて続けて言った。

ロ「誰も友達がいないってことはとっくに気がついているだろうさ」

『ロン』

私は静かにロンの名前を呼んだ。
でもやっぱり、何と言えば良いのかは分からなかった。

ごめん、ハーマイオニー。
私が悪い。

私はそのまま、人の間を縫うように駆け出した。ハーマイオニーの姿はとっくに見えなくなっていた。

ロ「どうしたんだよ！」

後ろの方で叫ぶロンの声が聞こえる。ハリーも何か言っているようだったが、喧騒にかき消されてもう届かない。

人混みを抜け、視界が開ける。目の端に、翻されたローブの先が曲がり角の向こうに消えるのが見えた。

『ハーマイオニー！』

曲がり角に追いつく。
廊下の先には、もう誰もいなかった。

長い廊下を早足で歩いた。

確かあそこに階段があって、扉があって。どこまでも続く廊下の中で、私はある場所を探していた。

狂ったように歩き続けて、ついに見つけた。ずっと向こうに女子トイレがあった。