検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:33,579 hit

six ページ13

毎日の授業に追われて飛ぶように時間は過ぎ、ハロウィンの朝がやってきた。

美味しそうにベーコンを食べているハリーの横顔を見ながら、私は考えていた。
今日がご両親の命日だということ、ハリーは知らないのだろうか。

瞳を覗き込んでみるが、彼はどうやらクィディッチのことで頭がいっぱいらしかった。
ハリーはまだ両親の顔さえ知らないのだ、当たり前か。

私は前に向き直り、食事を続けた。


なんとなく、数日前のことを思い出す。

あの朝、いつものように郵便ふくろうの群れが大広間に飛んできた。
六羽ものオオコノハズクに加えられた包みは、一際皆の目を引いた。

私ももちろん例外ではなく、その包みがハリーの目の前に落とされるまでをじっと見つめていた。

破くように手紙を開けたハリーは、急いで読み終えるとすぐにそれを私たちに渡した。

その後ハリーとロンは、包みを抱えて興奮したように席を立っていってしまった。


それから、クィディッチの練習だのマルフォイとの対決だの、三頭犬に会っただのと色々な騒ぎがあったと聞いている。
私はハーマイオニーと顔を合わせるのが気まずく、あえて立ち会わなかったけれど。



私は、スプーンを運びながら口を開いた。

『今日は浮遊呪文をやるんだよね』

ハ「どうせハーマイオニーが一番乗りさ」

『どうかな』

私はくすくすと笑いを漏らした。
ハーマイオニーからご丁寧な指導を受けるロンの顔が、頭に浮かんだからだ。

ロ「僕、君には期待してるんだ。あいつの鼻を明かしてくれよ」

『そんなに見返したいなら、ロン、あなたが頑張れば?』

本を抱え、こちらに歩いてくるハーマイオニーをちらと見ながら私は言った。
ハーマイオニーもこちらを見ているみたいだ。

ロ「全く、君たち二人には敵わないよ」

そういいながらフォークを置いたロンは肩を竦め、急いだように大広間を出て行った。パンプキンパイを食べ終えたハリーもそれに続く。


私は、向かいの席に着いたハーマイオニーに軽く手を振った。

彼女は微笑み返してくれたけれど、それはどこかぎこちなく、裏にある感情が少し怖いような気さえした。


今日の授業は、少し荒れるかもしれないな。

seven→←five



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
設定タグ:ハリー・ポッター , セブルス・スネイプ , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:コーデリア | 作成日時:2021年12月18日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。