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何人か心配して近づいてきてくれた。
私もそらるさんも砂で体操服が白くなってしまった。私は腕で体を支え、片足をついたがそらるさんは思いっきり転んで真っ白だ。
「いって〜、わり。急にし始めた俺が悪いわ」
「私こそよそ見してた、ごめん」
周りの子が怪我してないか、心配してくれた。
手や足を確認するとかすり傷ができ血が垂れてきていた。
まぁ、こんくらいの傷なら問題ないか……
起き上がったそらるさんが二人を繋ぐ紐を外した。
「どうする、救護テント行く？」
「ううん、私は大丈夫。そらるさんは怪我した？」
「俺もかすり傷、とりあえず砂だけ落とし行こ」
たらり、と垂れてくる血と複雑に絡んだ砂。
立ち上がって、水道のある場所までへと二人で向かった。私は掌と膝、そらるさんは膝にかすり傷ができていた。
「俺のせいで……ごめん」
「かすり傷くらい別にいいよー、こんなんすぐ治るし」
「じゃあジュース奢る。それをお詫びって言っていいのか、わかんないけど」
「いーよ、別にただのかすり傷じゃん」
奢りたいそらるさんと奢られたくないわたし。
キュッ、と蛇口を捻ると一気に水が流れ出す。掌に水があたると、傷にしみて水から逃げてしまった。
砂を流さなければいけない。
どろどろになった血と砂を手でさすり、落としていく。
「そらるさん、わたし引っ越す」
「…………いつ、てかなんで俺にいうの。」
めちゃくちゃ仲の良い人に、
引っ越すなんてそんな簡単に言えない。
でも、そらるさんとこれ以上の関係を持ちたいと思っても持てないとわかってしまった以上、これ以上なにも望まない。望めない。
だから、言った。
「体育祭終わった次の日、みんなには何も言わずに行く」
「…………だから、なんでおれだけに伝えんだよ」
そらるさんだから………
そらるさんなら、
別にこのあとも普通に接してくれると思ったから。
なのに、案外驚いた顔というより眉を潜めて険しい顔をしたということにびっくりした。女子に密かに人気のある君がそんな顔をしてるってのを周りの子たちが見たらどんな反応するのだろう。
「そらるさーん、絆創膏もらってくるけどそらるさんもいる？」
「あ、じゃあ一枚だけ頼むわ」
蛇口を閉め、わたしは先生の所に向かった。
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しろもん* - すごく良い作品ばかりで、ひたすら感動していました。私は、最後のお話が好みです。でも、本当にどの作品も素晴らしかったです。 (2020年1月21日 23時) (
レス) id: 36bbb34c6c (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 涙がボロボロで止まらなかったです。描写もどのお話も素晴らしく、Bバージョンもとても楽しみです。 (2020年1月19日 0時) (レス) id: b204067585 (このIDを非表示/違反報告)
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