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「あれっ......」
「どうしたの？」
練習終わり、サッカー棟を出ようとしたところで普段手首につけているヘアゴムがないことに気づいた。ゆっくりと、順番に記憶を探れば 心当たりは見つかった。最後に髪をおろしたのは練習終了直後で、確かベンチの近くだ。
立ち止まった私の動きにあわせて、一緒に帰る事になった彼女も歩みを止めた。
「忘れ物しちゃったみたい。ここで待ってて、すぐに戻るから！」
幸いまだ鍵はかかっていなかった。グラウンドに入ると、誰かがゴールの前に立ち シュートを打っていた。
背番号『10』──剣城だ。
「あ……おつかれさま。忘れ物しちゃったんだ」
私の存在に気付いた剣城と目が合った。
ベンチ付近に、やはり目的物が落ちていた。ヘアゴム一つといえど、自分に馴染んでいるものを取り戻した時の安心感は大きい。
私の姿を認めても、何も言うことなく剣城は再びゴールへとボールを蹴り始めた。帰る様子は感じられず、ひたすらに蹴り続ける。風を切る音が響いていく。
剣城が部の練習時間以外で一心にボールを蹴り続けている様子を見るのは、確かホーリーロード決勝戦前以来だ。その時は外だったが、今は表立っての練習が厳しくなっている。
......以前とは形の違う、窮屈なサッカーだ。もしかしたら、身に覚えのない話といっても、エースナンバーのいざこざについて剣城も思うところがあるのかもしれない。
ボールを蹴り続ける剣城と、ゴールに入り続けるボールたちを、しばらく見つめていた。忘れ物を取り戻しても尚動かない私に、剣城が視線を向けた。
ラインを踏み越して内側まで歩いた。散らばるボールの一つを、足で転がしたり蹴ったりする。
剣城は私のスカートの中なんて見ないだろうけど、足の位置は低く保ったまま動かして。
「私、剣城の存在感を尊敬してる」
「なんだ突然」
「うん……なんか、点を決めてくれる背中してる、って思って」
ボールをゴールへ蹴った。ネットに受け止められたボールがころころと逆戻りしていく。
剣城はおおっぴらにしないけれど、影の努力を積み重ねている。そういう人だと分かるくらいの時間は共にしてきた。『武器』であるキック力は、その賜物であり、一朝一夕で得ているものではないはずだ。
積み重ねてきたこと、積み重ねていきたいこと。もう『観る側』じゃない私のそれは。
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見卯＊..+*(プロフ) - 宮野冬姫さん» お返事遅れてごめんなさい🙇♀️ ヤム・ハ・メラハの件については修正を入れて姿を消していますが、そのうちまた出てくると思います。関連は薄いですが、その時は葉王に思いを馳せながら読んで頂けると嬉しいです......☺️ (2022年9月7日 20時) (
レス) id: e1b9a46973 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 今気づいたけど、葉王って……ﾌﾟｰｸｽｸｽ← (2022年8月24日 15時) (レス) @page24 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - もちろんイナズマイレブンシリーズについても……グヘヘ(( (2022年8月24日 15時) (レス) @page24 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 語り合いたいですぅ！！ (2022年8月24日 15時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうだったんですか！マギを知ってるなんてメチャクチャ嬉しい！！！ (2022年8月24日 15時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：見卯＊..+* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miumiu01/
作成日時：2022年7月19日 20時
