男装して男子校に転校しました【文スト】 (ページ10)

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とうとう男子校に転校ページ10

厳つい教師が立っている校門をビクビクしながら通る

女子高とは大違いだ。

朝から五月蝿い昇降口。

朝から走り回ってる廊下。

そして、男子しかいない。

チャイムが鳴り、生徒達は皆教室に入っていく。

切り替えはちゃんとしてるんだな...。

ていうか私いいのかな、教室に入っても

来たことのない男子用制服の襟を必要以上に正しながら教室の中を覗く。

すると後ろの方から声が掛かった。

｢君かい？新しい生徒君は。｣

後ろを振り返ると砂色の外套を着た、蓬髪の高身長の先生らしき人が

出席簿をヒラヒラさせながら歩いてきた

｢あ、はい！...どの教室に入っていいのかわかんないんすけど...｣

昨日必死で覚えた男子語(？)を使って話す

｢嗚呼、君は束田航太君だね。｣

｢は、はい...！｣

偽名を使っているため

めっちゃドキドキする。

｢君はここの私のクラスだよ。入り給え。｣

｢わ、わかりました｣

そう言って私の肩に手を回したこのクラスの先生のことは気にしないようにする。

先生がドアを勢い良く開けて
｢転校生だー！！皆挨拶を！｣
と言った。

みんなが｢おー！｣とか｢まじかー！｣などと歓声を上げる。

怖い((ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ←

｢じゃ、早速自己紹介したまえ。
ちなみに私は“太宰治”だよ。
よろしくね。｣

｢よ、宜しくお願いします...。

えっと、わた、俺は束田航太って言います。

よ、よろしく！！｣

するとみんなは大袈裟に拍手したり｢よろしくな！｣と言ってきてくれた。

なんだ。男子校って案外いい所なのかも。

｢じゃあ、あそこの空いてる席に座り給え｣

｢うぃす｣

指定された席に腰掛けるとある事に気が付いた

隣の席にあの時の助けてくれた男子高生がいることを。

しかし
今お礼を言えばバレてしまうことになる。

どうしようと悩んでいると｢HR始めるよ～｣という太宰先生の声が掛かり
思考が中断させられた。